1 社会資源の使用目的は、クライエントのニーズを充足させることである。
2 社会資源とは、施設・設備、資金・物品などの有形のものをいう。
3 社会資源の供給主体には、インフォーマルなセクターは含まれない。
4 社会資源には、ソーシャルワーカーの専門的能力は含まれない。
5 社会資源の開発は、生活上のニーズを満たせない個別的なクライエントに対して行われるものであり、一定のクライエント層に対しては行われない。
選択肢1について
社会資源は、クライエントのニーズを充足するために活用されるものである。
(社会福祉士養成講座編集委員会編『新・社会福祉士養成講座8 相談援助の理論と方法II』、第2版、中央法規出版(2014)、p.103)
選択肢1は適切です。
選択肢2について
社会資源とは「福祉ニーズの充足のために利用・動員される施設・設備、資金・物品、諸制度、技能、知識、人・集団などの有形・無形のハードウェアおよびソフトウェアを総称するもの」と定義づけられる。
(同、p.101)
無形の社会資源を想定していない選択肢2は適切ではありません。
選択肢3について
一般的に、社会資源はフォーマルな資源とインフォーマルな資源に分類できるとされている。
(同、p.102)
社会資源の供給主体に「インフォーマルなセクターは含まれない」としている選択肢3は適切ではありません。
選択肢4について
援助者がもっている「専門性」や、さまざまな人がもっている「情報」も重要な社会資源となり得る。
(同、p.101)
ソーシャルワーカーの専門的能力も社会資源に含まれます。「含まれない」としている選択肢4は適切ではありません。
ソーシャルワーカーの専門的能力が社会資源ではない(=クライエントの支援に役立たない)としたら、ソーシャルワーカーの専門性って何?!という話になってしまいますね(・・;)
選択肢5について
ワーカーは支援対象である個々のクライエントのニーズと資源の仲介を行うなかで、適切な資源が見つからず、ニーズの充足が難しい状況に直面することがある。その際、クライエントへの支援という点では資源側と交渉したり、ほかの資源を組み合わせることで何とかニーズを満たそうと努力する。これはケースアドボカシーの機能である。これに対して、こうした未充足のニーズがあるという認識からさらに進んで、自分の目の前のクライエントと同様に、ある資源の不足によってニーズが充足されないままにおかれている不特定多数のクライエントの層があることを意識するとき、これらのクライエント群に対しても社会的な手立てを差し伸べていく必要性を感じとることは重要である。こうした認識によって資源開発が取り組まれていくのである。これはコーズアドボカシー(クラスアドボカシー)の機能である。
(同、pp.112-113)
社会資源は単独のクライエントに対して開発することもあるし、一定のクライエント層(複数のクライエント)に対して開発することもある、ということです。選択肢5は適切ではありません。
選択肢5だけが社会資源の開発に関する文章でしたが、それが正答というわけでもないので、選択肢の着眼点の違いにはあまり深い意味はなさそうです。
正答1