1 ミッションは、経営戦略という意味である。
2 経営理念について、現場の職員が知っている必要はない。
3 経営理念を、日常の経営上考慮する必要はない。
4 経営戦略を立てる際には、内部組織の強みや弱みを検討する必要はない。
5 経営目標は、経営理念に沿って示されねばならない。
選択肢1について
経営理念とは、組織が顧客や社会に対して実現しようとしているメッセージであり、信念、理想、哲学のようなものである。経営理念は、「何のために事業を行うのか」という点を明らかにし、自分たちの存在意義や使命(ミッション)を明確にするものでなくてはならない。
(社会福祉士養成講座編集委員会編『新・社会福祉士養成講座11 福祉サービスの組織と経営』、第4版、中央法規出版(2014)、p.68)
ミッションは使命のことで、戦略はストラテジー(strategy)です。選択肢1は誤りです。
選択肢2について
経営理念には、顧客や社会だけでなく、職員や取引先に対する視点も欠かすことができない。(中略)「われわれは何のために福祉サービスを行うのか」ということを真摯に考えることが重要であろう。この作業を行わないまま、次の経営目標を立てていくと、職員が自分のやっている仕事の意味づけができにくいまま、目先のニーズに応えることで手一杯になり、収支やサービス量を達成するためだけに日々働かされている気持ちになるだろう。
(同、pp.69-70)
選択肢2は誤りです。
選択肢3・4について
経営戦略の策定に至るまでに、経営理念に基づいて、経営目標を設定し、環境分析をするというプロセスがあります。日常の経営のベースは経営理念にあるはずなので、「考慮する必要はない」とする選択肢3は誤りです。また、組織の内部環境を分析する際に、強み(strength)と弱み(weakness)を検討する視点は有用です。「必要はない」と言う選択肢4は誤りです。
選択肢5について
経営ビジョン・経営目標は、経営理念をもとに、将来自分たちのなりたい姿を描き、目標を具体的に示すことにより、長期的な指針を明示するものである。
(同、p.70)
選択肢5は正しいです。
正答5