1 労働契約とは、労働組合と使用者との間の集団的な労働条件の取決めである。
2 労働契約で合意した場合には、就業規則で定めた労働条件を下回ることができる。
3 使用者が就業規則を変更する場合、労働者代表の意見を聴く必要はない。
4 就業規則は、労働協約に反する定めをしてはならない。
5 労働協約は、口頭の申合せにより効力を生ずる。
厚生労働省が、「知って役立つ労働法」という冊子を作成して公開しています。
労働法といっても、「労働法」という名前がついた一つの法律があるわけではありません。労働問題に関するたくさんの法律をひとまとめにして労働法と呼んでいます。その中には、労働基準法や労働組合法をはじめ、男女雇用機会均等法、最低賃金法といった様々な法律が含まれています。
(知って役立つ労働法、厚生労働省ホームページ、http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000044295.pdf、p.2)
選択肢1について
みなさんが会社に就職しようとする場合、みなさん(働く人、労働者、従業員)と会社(雇う人、使用者、企業、事業主)との間で、「働きます」「雇います」という約束=労働契約
が結ばれます。どういう条件で働くかといった契約内容も労働者と会社の合意で決めるのが基本です。(知って役立つ労働法、p.2)
労働契約は、労働者個人と使用者の間の取決めです。「労働組合と使用者の間の集団的な」取決めとしている選択肢1は誤りです。
選択肢2について
第十二条 就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。
(労働契約法)
就業規則で定めた労働条件を下回るような労働契約は、たとえ労働契約で合意したと言っても該当部分が無効になります。選択肢2は誤りです。
選択肢3について
就業規則の作成・変更をする際には必ず労働者側の意見を聴かなければいけません(労働基準法第90条)
(知って役立つ労働法、p.9)
第九十条 使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
(労働基準法)
選択肢3は誤りです。
選択肢4について
就業規則の内容は法令や労働協約に反してはなりません(労働基準法第92条、労働契約法第13条)
(知って役立つ労働法、p.9)
第九十二条 就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない。
2 行政官庁は、法令又は労働協約に牴触する就業規則の変更を命ずることができる。
(労働基準法)
第十三条 就業規則が法令又は労働協約に反する場合には、当該反する部分については、第七条、第十条及び前条の規定は、当該法令又は労働協約の適用を受ける労働者との間の労働契約については、適用しない。
(労働契約法)
選択肢4は正しいです。
選択肢5について
第十四条 労働組合と使用者又はその団体との間の労働条件その他に関する労働協約は、書面に作成し、両当事者が署名し、又は記名押印することによつてその効力を生ずる。
(労働組合法)
労働協約は、口頭の申合せでは効力を生じません。選択肢5は誤りです。
正答4
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【2016/5/11追記】
ハンドブック「知って役立つ労働法」は、平成28年4月更新版が厚生労働省HPに掲載されています。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000122726.pdf
【追記ここまで】
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