1 ソシオグラムとは、成員間の選択・拒否関係を図式化して、小集団における人間関係の構造を明らかにするためのものである。
2 MDS(Minimum Data Set)とは、支援の対象となる地域の課題解決に向けて、その課題を客観的に測定するためのものである。
3 エコマップとは、白地図に物的資源を記入して、クライエントと自然環境の関係を明らかにするためのものである。
4 PIE(Person-in-Environment)とは、クライエントが担ってきた役割や経歴上の出来事を取り上げて、その人生行路を観察するためのものである。
5 ジェノグラムとは、クライエントに樹木の絵を描かせて、家族における世代間の関係を理解するためのものである。
選択肢1・3・5について
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詳しくは上記の記事に書きました。選択肢1(ソシオグラムの説明)は正しいです。選択肢3・5(エコマップ・ジェノグラムの説明)は誤りです。
選択肢3は、「エコ」マップに関係しそうな「自然環境」という単語を持ち出してひっかけようとしているのでしょうか?(^_^;)
選択肢5は、「家族における世代間の関係を理解するためのもの」というのは正しいと思うのですが、「クライエントに樹木の絵を描かせて」の部分だけは性格検査の一種バウムテストの説明に見えます。バウムはドイツ語で「木」(バウムクーヘンのバウム)です。
選択肢2について
MDSは、高齢者をアセスメントするためのもので、地域の課題を測定するものではありません。選択肢2は誤りです。
現在介護施設や在宅などで広く用いられているMDS(Minimum Data Set)方式は、“切れ目のないケア”を提供するためのアセスメントとして最適である。その理由として、MDS方式は多職種による利用を前提に開発されており、施設版(MDS2.1)と在宅版(MDS-HC2.0)の基本アセスメント項目を同じにするなど、職種間・サービス間の連携を容易にする設計になっていることが挙げられる。
このたびMDS方式は内容が刷新され、「インターライ方式」と改称された。(天野貴史・石橋智昭・池上直己、インターライ方式の特徴と利点、特定非営利活動法人インターライ日本ホームページ、http://interrai.jp/tokubetsukiji/intro)
インターライ方式は、国際的な研究組織であるinterRAIによって、それまでのMDS方式のすべての版を再構築するかたちで、2009年に開発されたアセスメント方式である。
日本版インターライ方式についてのマニュアルは2011年11月から刊行されているそうで、第24回の国家試験(2012年1月末実施)の問題が作成されるころはMDSの最後の時期だったということになります。
選択肢4について
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詳しくは上記URLの記事に書きましたが、PIEはクライエントの抱える問題を記述するための、ソーシャルワーク用の「言語」として作られた分類基準です。人生を振り返るものではなく、いまどういう状態かを記述するものです。選択肢4は誤りです。
正答1