1 逐語体は、あらかじめ設定している援助課題の項目ごとに時系列で援助過程を簡潔に示すものである。
2 叙述体は、事実やその解釈、見解の要点を整理して示すものである。
3 要約体は、ソーシャルワーカーとクライエントの相互作用について時間経過に沿って詳細に示すものである。
4 ジェノグラムは、数世代にわたる血族・姻族関係、ライフイベントなどを図式化するものである。
5 エコマップは、グループメンバー間のつながり、構造、関係のパターンを図式化するものである。
選択肢1について
逐語体といえば「一言一句そのままに書き留める」形式です。「簡潔に」ではありません。選択肢1は誤りです。
選択肢2について
叙述体とは、時間の順序に従って利用者の状況の変化や支援の内容などを記録していく方法です。
(けあサポ 介護記録の記述の形式、2012年6月12日9:10、http://www.caresapo.jp/fukushi/meister/2012/06/post_638.html)
説明体は、事実に加えて、支援の過程で起こるさまざまな出来事に対する書き手の解釈や考察を記録する方法です。
(同)
事実と解釈を両方書くのは、説明体で、叙述体ではありません。選択肢2は誤りです。
選択肢3について
ソーシャルワーカーとクライエントの相互作用のプロセスを書き留める過程記録
(寺田香、情報共有とソーシャルワーク記録〜社会福祉士養成プログラムからの考察、人間福祉研究、2015年、18号、p.127、http://id.nii.ac.jp/1136/00001317/)
叙述体には支援過程全体を短く圧縮する圧縮叙述体、支援者と利用者の関係の過程を記述する過程叙述体があります。
(小山朝子、介護福祉士試験に向けて5 コミュニケーション技術 2/2、2014年1月6日、https://allabout.co.jp/gm/gc/437933/2/)
選択肢3は、過程叙述体の説明です。選択肢3は誤りです。
なお「ソーシャルワーカーとクライエントの相互作用」というフレーズは、第28回の国家試験でも出てきました。
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選択肢4について
正しいです。ジェノ(geno-)は「遺伝子の」という意味で、ジェノグラムは家族関係図のことです。ライフイベントを図式化しているかというと微妙ですが、まあ結婚・離婚、出生・死亡も表現できるので、それらがライフイベントだという意味ではそうですかね。
選択肢5について
エコマップはジェノグラムの拡大版で、家族以外にもクライエントや家族の周囲で関わりのある人、機関、組織などとクライエントとの関係を図式化します。「グループメンバー間のつながり、構造、関係のパターンを図式化」という選択肢5は、ソシオグラムの説明のように思えます。
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正答4