第28回 問題123

第28回 問題123 会計や経営に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 直接金融とは、銀行などの金融機関から直接借入れることを指す。
2 貸借対照表の借方とは、どこから資金を調達したかを示し、貸方とは、どのように資金を使用しているかを示す。
3 減価償却とは、固定資産(土地と建設仮勘定を除く)の取得原価を、その耐用年数にわたって費用化する手続きである。
4 社会福祉法人のうち、収益が10億円未満の法人には財務諸表開示の義務がない。
5 会計用語上、収益と利益は同一である。

選択肢1について
知るぽると(金融広報中央委員会ウェブサイト)から引用します。

資金を必要とする企業や国などが、銀行などの第三者を介入させずに、社債・株式・公債を発行して、必要な資金を証券市場を通じ直接貸し手から調達することを直接金融、企業や政府が必要な資金を、銀行などの金融機関からの借り入れで調達することを間接金融という。

(直接金融・間接金融、金融用語解説、金融広報中央委員会ウェブサイト知るぽると、https://www.shiruporuto.jp/education/data/container/yogo/t/chokusetsu_kansetsu_kinyu.html

「銀行などの金融機関」にあるお金は預金者のお金です。金融機関から借り入れをする人は、金融機関を挟んで、預金者のお金を間接的に借りていることになり、これは間接金融にあたります。直接金融と言っている選択肢1は誤りです。

選択肢2について
まず大前提として、貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)の借方(かりかた)は左側、貸方(かしかた)は右側のことです。貸借対照表の借方には資産、貸方には負債と純資産が記載されます。資産は「どのように資金を使用しているか」、負債と純資産は「どこから資金を調達したか」を示しています。

選択肢2は、借方と貸方が逆になっていて、誤りです。

選択肢3について
結論から言うとこの選択肢は正しいです。会計を勉強したことがないと「取得原価を耐用年数にわたって費用化する」などと言われても意味が分からないと思いますが、選択肢3は減価償却について正しく説明しています。

減価償却(げんかしょうきゃく、英: Depreciation)とは、企業会計に関する購入費用の認識と計算の方法のひとつである。長期間にわたって使用される固定資産の取得(設備投資)に要した支出を、その資産が使用できる期間にわたって費用配分する手続きである。

(減価償却、wikipedia日本語版、https://ja.wikipedia.org/wiki/減価償却

簿記の参考書・解説サイトなどの説明がより具体的でわかりやすいと思います。

トラックを例に考えてみましょう。新品と中古の値段は違いますよね?
固定資産を使うと、時間の経過とともに価値が減ってしまうのです。
そこで、決算の時にどのくらい価値が減ったのかを見積もって、これを費用として計上します。
これを減価償却(げんかしょうきゃく)と言い、勘定科目『減価償却費(費用)』を使います。

(固定資産の減価償却、簿記3級 無料学習サイト、http://studyboki3.com/050_kessann/030_kessannseiri/1/2/

減価償却は、購入した固定資産を、使ったり時間がたったりすることによって価値が減っていくのを数字で表すことです。

(減価償却(定額法)の計算方法、パブロフ簿記のブログ 、http://pboki.com/boki3/depreciation1/dep.html

簿記の参考書・解説サイト等には、取得原価や耐用年数についても書いてあると思いますので気になる方はそちらを見てください。

選択肢4について
全国社会福祉協議会(全社協)がパンフレットを公開しています。

社会福祉法人の「経営情報」の公開が義務化されました
通知「「社会福祉法人の認可について」の一部改正について」
(中略)
通知のポイント
・経営情報(現況報告書等)の所轄庁への提出手続の取扱い
・経営情報のインターネットを活用した公表(義務化)

(社会福祉法人の「経営情報」の公開に関するパンフレット(2014年6月)、全国社会福祉協議会ホームページ、http://www.shakyo.or.jp/news/20141015_keiei.pdf

特に例外についての定めはないようで、すべての社会福祉法人に開示義務があるので選択肢4は誤りです。個人的には、選択肢4の「10億円」はちょっと額が大きすぎてリアリティがないと思いました。

選択肢5について

収益とは会社に入ってくるお金のことです。売上がメインですが、ほかにも他社からの配当金や本業以外の細かい収入なども含まれます。これに対して、収益から費用を引いた金額を利益といいます。

(渋田貴正、「利益」と「収益」の違いが何かわかりますか?、AllAbout、http://allabout.co.jp/gm/gc/295875/

似ているのに別の言葉が存在しているということは、それらの言葉が意味する内容には違いがあるということですね。「同一である」と言っている選択肢5は誤りです。

第28回国家試験 問題123(福祉サービスの組織と経営)
正答3
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