1 ソーシャルワークの実践に必要な知識、技術、価値を伝授することは教育的機能である。
2 スーパーバイザーとスーパーバイジーの責任の範囲などを決める契約は、スーパービジョンの展開における終結の時点で行う。
3 共感的な理解や受容を通して、ソーシャルワーカーを精神的に支える機能は管理的機能である。
4 スーパーバイザーは、スーパーバイジーから専門職としてさらに成長していくようにスーパービジョンを受ける。
5 個々のソーシャルワーカーの力量や状況に見合った業務の割当てを行い、適正な業務となるよう調整することは支持的機能で
選択肢1・3・5について
スーパービジョンの機能は主に3つです。
・支持的機能
・教育的機能
・管理的機能
支持的機能について教科書の項目は次のようになっています。
バーンアウト(燃え尽き症候群)を未然に防止する
自己覚知を促し、それに伴う痛みを軽減する
自己実現を支え、それに伴う葛藤を軽減する(社会福祉士養成講座編集委員会編『新・社会福祉士養成講座8 相談援助の理論と方法II』、第2版、中央法規出版(2014)、pp.190-191)
選択肢3の「共感的な理解や受容を通して、ソーシャルワーカーを精神的に支える機能」はこの支持的機能にあたります。管理的機能と言う選択肢3は誤りです。
同様に、教育的機能についての項目は次の通りです。
ワーカーの学習の動機づけを高める
具体的なケースを通して理論と実践を結ぶ
ソーシャルワーク実践に必要な知識・技術・価値を伝授する(同、pp.192-193)
選択肢1の「ソーシャルワークの実践に必要な知識、技術、価値を伝授すること」はこの教育的機能にあたります。選択肢1は正しいです。
管理的機能についての項目は次の通りです。
ワーカーが能力を発揮できる職場環境を整える
ワーカーが組織の一員として活動できるようにする(同、pp.pp.194-195)
選択肢5の「個々のソーシャルワーカーの力量や状況に見合った業務の割当てを行い、適正な業務となるよう調整すること」は管理的機能にあたります。支持的機能と言う選択肢5は誤りです。
選択肢2について
契約は、スーパービジョン開始の時点で行います。
スーパービジョンでは、スーパーバイザーとスーパーバイジーの間にスーパービジョン関係を結ぶ意思の確認がなされることが前提となる。そして、スーパービジョンを開始するにあたり、①スーパービジョンの目標や課題の設定、②スーパービジョンの回数、③スーパービジョンの実施場所、④スーパービジョンにかかる費用、⑤スーパービジョンの形態と方法、⑥スーパーバイザーの責任の範囲、⑦スーパービジョンを実施するにあたっての約束事などについて話し合う。
(同、pp.186-187)
契約を「終結の」時点で行うと言う選択肢2は誤りです。
選択肢4について
スーパーバイザー(supervisor)はスーパーバイズ「する人」、スーパーバイジー(supervisee)はスーパーバイズを「受ける人」です。
スーパーバイザー
ソーシャルワーカー(以下、ワーカー)が専門職としてさらに成長していくように、スーパーバイジーに対してスーパービジョンを行う人である。
(中略)
スーパーバイジー
スーパービジョンを受け、専門職として養成されるワーカーである。専門職を目指す実習生などの学生も含む。(同、p.186)
選択肢4はスーパーバイザーとスーパーバイジーが逆で、誤りです。
正答1