第28回 問題138

第28回 問題138 児童福祉法における用語の意味として、正しいものを1つ選びなさい。
1 「少年」とは、中学校入学の始期から、満18歳に達するまでの者をいう。
2 「妊産婦」とは、妊娠中または出産後3か月以内の女子をいう。
3 「要支援児童」とは、保護者に監護させることが不適当であると認められる児童をいう。
4 「保護者」とは、児童の扶養義務を負う者をいう。
5 「特定妊婦」とは、出産後の養育について、出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦をいう。

正誤の判断には児童福祉法の条文を見ていきます。以下、条文はすべて児童福祉法からの引用です。

選択肢1について

第四条  この法律で、児童とは、満十八歳に満たない者をいい、児童を左のように分ける。
一  乳児 満一歳に満たない者
二  幼児 満一歳から、小学校就学の始期に達するまでの者
三  少年 小学校就学の始期から、満十八歳に達するまでの者

条文からわかるとおり、少年は「小学校」就学の始期から満18歳までなので、「中学校」入学の始期からと言う選択肢1は誤りです。なお条文で「左のように分ける」と書いてあるのは、本来の条文が縦書きだからです。

選択肢2について

第五条  この法律で、妊産婦とは、妊娠中又は出産後一年以内の女子をいう。

妊産婦の定義は、妊娠中または「出産後一年以内」の女子なので、「出産後3か月以内」と言う選択肢2は誤りです。

選択肢3・5について

第六条の三 (第1項から第4項まで 省略)
5 この法律で、養育支援訪問事業とは、厚生労働省令で定めるところにより、乳児家庭全戸訪問事業の実施その他により把握した保護者の養育を支援することが特に必要と認められる児童(第八項に規定する要保護児童に該当するものを除く。以下「要支援児童」という。)若しくは保護者に監護させることが不適当であると認められる児童及びその保護者又は出産後の養育について出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦(以下「特定妊婦」という。)(以下「要支援児童等」という。)に対し、その養育が適切に行われるよう、当該要支援児童等の居宅において、養育に関する相談、指導、助言その他必要な支援を行う事業をいう。
(第6項から第14項まで 省略)

この項で「要支援児童」と「特定妊婦」が定義されています。選択肢3は誤りです。選択肢5は正しいです。

選択肢4について

第六条  この法律で、保護者とは、第十九条の三、第五十七条の三第二項、第五十七条の三の三第二項及び第五十七条の四第二項を除き、親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護する者をいう。

保護者の定義には「~を除き」がいくつもあるので、一言で説明するのが難しいですが、原則的には「児童を現に監護する者」という理解でよいと思います。「扶養義務を負う者」としている選択肢4は誤りです。

第28回国家試験 問題138(児童・家庭支援と児童・家庭福祉制度)
正答5
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