1 相関係数がゼロになった場合は、2つの変数の間にはいかなる関係も存在しない。
2 それぞれの変数の測定単位(mとcm、円とドルなど)が変われば、相関係数の絶対値の大きさも変化する。
3 変数Xと変数Yに正の相関が、変数Yと変数Zにも正の相関がある場合でも、変数Xと変数Zに相関が存在しないことがありうる。
4 2つの変数の間に相関があれば,どちらが原因となる変数でどちらが結果となる変数であるのかを特定できる。
5 相関係数が大きな値を示せば、2つの変数の間に必ず直接の関連がある。
選択肢1について
ピアソンの積率相関係数がゼロの場合「無相関」(相関関係はない)と言いますが、「いかなる関係も存在しない」とまでは言い切れません。選択肢1は誤りです。ちなみに、「すべての」とか「必ず」という選択肢は誤りであることが多いです。
選択肢2について
ピアソンの積率相関係数は、それぞれの変数の測定単位が変わっても、相関係数の絶対値は変わりません。選択肢2は誤りです。
選択肢3について
「変数Xと変数Yに正の相関が、変数Yと変数Zにも正の相関がある場合でも、変数Xと変数Zに相関が存在しない」ということはあり得ます。選択肢3は正しいです。例えば、Xがある人の年齢、Yがその人の給料、Zがその人が趣味にかけるお金とします。年配の人ほど給料が高い、給料が高い人ほど趣味にお金をつかう、という関係があると考えられますが、年配の人ほど趣味にお金をつかうとは限りません。
選択肢4について
相関関係は、因果関係とは異なることに注意しましょう。地球温暖化(年平均気温や海水温の上昇)と、大気中の二酸化炭素濃度には「相関関係がある」と言われていますが、どちらが原因なのかははっきりしていないそうです。一般的に「二酸化炭素がふえたため(原因)、地球温暖化が引き起こされた(結果)」と言われていますが、「地球が温暖化したため(原因)、二酸化炭素がふえた(結果)」のかもしれません。選択肢4は誤りです。
選択肢5について
相関係数が大きくても直接の関係はないということはあり得ます。詳しくは「疑似相関」または「見かけの相関」で調べてみてください。
正答3