第30回 問題150

第30回 問題150 事例を読んで、医療観察中にD社会復帰調整官がEさんに対して行うことのできた業務として、最も適切なものを1つ選びなさい。
[事例]
保護観察所のD社会復帰調整官は、医療観察の対象者であるEさんを担当して、指定入院医療機関に入院中の生活環境の調整に始まり、関係機関との連携を図るケア会議を開催した。その後、Eさんは退院し、入院によらない医療を受けながら自宅での生活を行った。その間、精神科病院への一時的入院もあったが、法定期間満了前に処遇の終了を迎えることができた。
1 Eさんの生活環境の調整を保護司に委ねた。
2 Eさんの精神保健観察中に「守るべき事項」を決定した。
3 開催されたケア会議において、Eさんの退院許可の決定を行った。
4 入院によらない医療を受けているEさんに対して、「精神保健福祉法」の規定による入院を行うための調整をした。
5 Eさんの指定通院医療機関による医療の終了を決定した。
(注)「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。

まず社会復帰調整官の役割を確認しておきます。

社会復帰調整官
 精神保健福祉士等の資格を有し,精神保健や精神障害者福祉に関する専門的知識に基づき,医療観察制度の対象となる精神障害者に対する精神保健観察,生活環境の調整等の処遇に従事する国家公務員です。同制度の対象となる人に必要となる継続的な医療と援助を確保し,その社会復帰を促進するため,地域社会において関係機関相互間の連携を確保するコーディネーターとして重要な役割を担っています。

(法務省ホームページ、更生保護の組織、http://www.moj.go.jp/hogo1/soumu/hogo_hogo03.html

選択肢1について
生活環境の調整は社会復帰調整官の仕事ですから、保護司に委ねてしまう選択肢1は適切ではありません。

選択肢2について
保護観察の遵守事項に似せて引っかけようとしていますが、適切ではありません。

選択肢3、5について
社会復帰調整官は退院許可の決定や指定通院医療機関による医療の終了の決定をする権限はありませんので、適切ではありません。

選択肢4について
社会復帰調整官の業務として適切です。

第30回国家試験 問題150(更生保護制度)
正答4
広告
広告
広告

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

広告
広告