1 サービスへの利用者の満足度を高めるためには、サービス利用前から利用者がサービスへの高い期待を持つように働き掛けることが望ましい。
2 サービス・プロフィット・チェーンの考え方によれば、サービスへの利用者の満足度を高めるためには、従業員の仕事への満足度を高めることが重要である。
3 利用者のニーズに沿った創意工夫を従業員に促すためには、現場の裁量を認めるのではなく、マニュアルなどの外在的な管理手段を徹底していくことが有効である。
4 利用者にサービスの品質を評価してもらう際は、サービスの提供過程に対する評価よりも、サービスの結果に対する評価を重視することが重要である。
5 利用者の多様性に対応するためには、各々の従業員の価値観の多様性を認めることが望ましいので、組織としてのサービスの理念や価値を明文化すべきではない。
選択肢1について
期待を超えてきたとき満足度が高まるので、利用前から高い期待をもたせると、むしろ期待外れで満足度が低くなると思われます。選択肢1は適切では誤りです。
選択肢2について
サービス・プロフィット・チェーン(Service-Profit Chain)は、1994年にハーバードビジネススクールのヘスケット(J.S.Heskett)、サッサー(W.E.Sasser,Jr.)らが示したモデルです。
サービス・プロフィット・チェーンの基本的な考え方は、組織が従業員を大事にすれば、従業員は顧客によいサービスを提供するというものだ。そうなると顧客の購買が増え、企業の売上げと利益が増大する。そうして得られたリソースをテコに、企業は従業員満足と顧客満足をさらに高めることができる。この好循環は小売業のみならず、先進各国で経済の中核を成すサービス業全般に言えることが証明済みである。
(トーマス H. ダベンポート、「サービス・プロフィット・チェーン」が今なお重要である理由、HBRブログ、2014年01月31日、http://www.dhbr.net/articles/-/2370)
選択肢2は正しいです。
選択肢3について
従業員に創意工夫を促すならば、現場の裁量を認めるほうがよいでしょう。選択肢3は誤りです。
選択肢4について
結果か過程かどちらかを重視するのでなく、どちらの評価も参考にします。選択肢4は誤りです。
選択肢5について
従業員の価値観の多様性を認めることと、組織としてのサービスの理念や価値を明文化することとは矛盾しません。選択肢5は誤りです。
正答2