第28回 問題108

第28回 問題108 相談援助の過程におけるフォローアップに関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 相談援助が集結したクライエントの状況を確認し、必要に応じて援助を展開する。
2 クライエントの問題を、ソーシャルワーカーが対応するか否か判断する。
3 相談援助の経過を観察する。
4 クライエントが抱える問題の全体像を理解・評価する。
5 相談援助の計画を立案する。

選択肢1について

クライエントや家族に対しては、支援の終結後でも生活状況の変化があった場合には、いつでも支援を再開できることを確認しておく。また、自ら支援を申し出ることが困難なクライエントがいることにも十分配慮し、周囲のフォローアップ体制を検討しておく必要もあるだろう。

(社会福祉士養成講座編集委員会編『新・社会福祉士養成講座7 相談援助の理論と方法I』、第2版、中央法規出版(2013)、pp.141-142)

教科書のこの記述は「アフターケア」の説明で、厳密には「フォローアップ」の説明ではないのですが、フォローアップはアフターケア(ケース終結以降の段階)の中で出てくるということがわかります。選択肢1は正しいです。

選択肢2について

インテークの段階で、クライエントは自分のもっている問題を明らかにしていく。一方、ソーシャルワーカーは、その問題を自分が担当すべきかどうか、自分に担当することができるかどうかについて検討を加えていく。(中略)ソーシャルワーカーは、所属する施設や機関の機能の範囲、与えられている責任、そしてソーシャルワーカー自身の能力も考慮しながら、このケースを自分が担当するかどうかについて検討しなければならない。これをスクリーニングという。

(同、p.106)

選択肢2はスクリーニングの説明で、フォローアップの説明としては誤りです。

選択肢3について

モニタリングとは、支援開始後の経過を観察・評価することである。

(同、p.132)

選択肢3はモニタリングの説明で、フォローアップの説明としては誤りです。

選択肢4について

詳細な情報収集がなされた後、あるいは情報収集をしている最中にも、事前評価(アセスメント)が行われる。アセスメントという言葉は、生態学で「環境アセスメント」と使用されるように、全体をどのように評価するかということである。つまり、取集された情報全体をみて、何を、どのようにとらえるか・評価するかということである。

(同、p.118)

選択肢4はアセスメントの説明で、フォローアップの説明としては誤りです。

選択肢5について

アセスメントができ、具体的なターゲットが明確になると、援助目的に向かって援助計画が立てられる(プランニング)。

(同、p.123)

選択肢5はプランニングの説明で、フォローアップの説明としては誤りです。

第28回国家試験 問題108(相談援助の理論と方法)
正答1
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