第28回 問題146

第28回 問題146 事例を読んで、B相談支援員(社会福祉士)の対応として、次のうち最も適切なものを1つ選びなさい。
[事例]
Cさん(32歳、男性)は両親と同居している。大学卒業後直ぐに就職したが半年で離職し、その後、身の回りのことは自分でこなすが、積極的な就職活動などをすることなく自宅にとどまり、家族以外とは交流を持たない状態が10年近く続いている。今回、親に促されて、生活困窮者自立相談支援事業を実施するR市役所の相談窓口を訪れた。Cさんは「就職したいという焦りと、失敗するのではという不安がある」とB相談支援員に話している。
1 医療機関の受診を勧める。
2 求人情報誌の利用による求職を勧める。
3 障害者就業・生活支援センターの利用を勧める。
4 福祉事務所の相談窓口を勧める。
5 地域若者サポートステーションの利用を勧める。

すべての選択肢が、B相談支援員が直接援助するのではなく、他の社会資源を紹介する「リファーラル」になっています。ポイントは「就職したいが不安もある」というCさんの意向だと思います。

選択肢1について
Cさんが何らかの疾患を抱えている可能性はゼロではありません。ただ、事例では今のところ生活に支障が出ているとか疾患があることを確信させるような記述はないので、本人が希望しているのでなければいきなり医療機関につなごうとする必要はありません。この問題では選択肢1が最も適切ということはありません。

選択肢2について
10年近く家族以外と交流がなく、「失敗するのではという不安」を口にしているCさんに対して、「求人情報誌を利用するといいよ」で相談を終わらせてしまうのは不十分です。選択肢2は適切ではありません。

選択肢3について
Cさんが障害者という話は出てきていないので、適切ではありません。

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選択肢4について

福祉事務所とは、社会福祉法第14条に規定されている「福祉に関する事務所」をいい、福祉六法(生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法)に定める援護、育成又は更生の措置に関する事務を司る第一線の社会福祉行政機関です。

(福祉事務所、厚生労働省ホームページ、http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/fukusijimusyo/index.html

Cさんは生活保護を受給していませんし、申請したいとも言っていませんし、児童でもなく、男性で、老人でもなく障害者でもありません。

選択肢4(福祉事務所の相談窓口を紹介する)は適切ではありません。

選択肢5について

地域若者サポートステーション(愛称:「サポステ」)では、働くことに悩みを抱えている15歳~39歳までの若者に対し、キャリアコンサルタントなどによる専門的な相談、コミュニケーション訓練などによるステップアップ、協力企業への就労体験などにより、就労に向けた支援を行っています。(中略)

サポステの支援対象者
「働きたいけど、どうしたらよいのかわからない…」、「働きたいけど、自信が持てず一歩を踏み出せない…」、「働きたいけど、コミュニケーションが苦手で…不安」、「働きたいけど、人間関係のつまずきで退職後、ブランクが長くなってしまった…」など、働くことに悩みを抱えている15歳~39歳までの若者の就労を支援しています。

(地域若者サポートステーションって何?、厚生労働省ホームページ、http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/shokugyounouryoku/for_worker/ys-station/index.html

事例のCさんに紹介する社会資源として適切なのは地域若者サポートステーション(選択肢5)です。

第28回国家試験 問題146(就労支援サービス)
正答5
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