第28回 問題87

ピアソンの積率相関係数についての問題でした。第22回以来、ひさびさの登場です。

第28回 問題87 ピアソンの積率相関係数に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 値は0から1の範囲の間で変動する。
2 2つの変数の因果関係を表すものである。
3 年齢と所得の相関係数は、所得が円単位でもドル単位でも同じ値になる。
4 2つの変数の間に完全な相関がある場合、散布図は円形になる。
5 2つの順序変数の関連の強さを測る指標である。

選択肢1について
ピアソンの積率相関係数は、-1から1までの値を取ります。選択肢1は誤りです。

選択肢2について
相関係数はその名のとおり相関関係を表すものです。相関関係と因果関係は別物です。選択肢2は誤りです。

選択肢3について
それぞれの変数の測定単位が変わっても、相関係数の絶対値は変わりません。選択肢3は正しいです。

選択肢4について
相関係数が1のとき、2変数の関係は「完全な正の相関」といいます。相関係数が-1のとき、2変数の関係は「完全な負の相関」といいます。完全な正または負の相関関係にある2変数で散布図を作ると、点は一直線に並びます。「円形になる」と言う選択肢4は誤りです。

選択肢5について
ここでの「順序変数」は「順序尺度で表された変数」と考えればよいでしょう。例えば、5点満点の満足度、レースの順位などです。ピアソンの積率相関係数は、順序変数の関連の強さを分析するには適していません。選択肢5は誤りです。

順序尺度間の相関
二つの順序尺度変数間の相関の強さは,順位相関係数によって測られる。
・スピアマンの順位相関係数
・ケンドールの順位相関係数

(統計学用語辞典、Weblio辞書、http://www.weblio.jp/content/順序尺度間の相関

第28回国家試験 問題87(社会調査の基礎)
正答3

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