第28回 問題106

単一事例実験計画法についての問題でした。誤選択肢として集団比較実験計画法に関する記述も混じっています。

第28回 問題106 ソーシャルワークの評価方法の一つである単一事例実験計画法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 PIE(Person-in-Environment)を用いてクライエントの変化を測定する。
2 個人、家族、小集団に対する介入の評価に用いる。
3 介入後の段階から繰り返して観察・測定を行う。
4 ベースライン期に行った介入を評価する。
5 調査対象者を実験群と統制群に分けて観察・測定を行う。

選択肢1について
PIEは、DSMやICFなどと同じ「分類基準」のひとつで、基本的には個人に対して分類するものです。単一事例実験計画法の対象は個人とは限りません。また、クライエントの変化を測定するのにPIEを使うと決まっているわけでもありません。選択肢1は誤りです。

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選択肢2について
正しいです。

選択肢3について
単一事例実験計画法は、介入前(ベースライン期)の対象の状態を観察・測定しておき、介入後(インターベンション期)にも再び対象の状態を観察・測定します。介入前の状態も見ておかなければ、介入後だけ見ても何がどう変化したのかわかりません。「介入後の段階から」という選択肢3は誤りです。

選択肢4について
ベースライン期とは介入前の段階のことですから、「ベースライン期に行った介入」というのは矛盾していて文章が成り立っていません。選択肢4は誤りです。

選択肢5について
「調査対象者を実験群と統制群に分けて観察・測定を行う」のは集団比較実験計画法の説明です。単一事例実験計画法の説明としては選択肢5は誤りです。

第28回国家試験 問題106(相談援助の理論と方法)
正答2

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集団比較と単一事例
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