第28回 問題143

第28回 問題143 雇用・就労に関連する用語の説明として、正しいものを1つ選びなさい。
1 ディーセント・ワークとは、働きがいのある人間らしい仕事のことをいう。
2 ニートとは、就労に向けて職業準備中の若年者のことをいう。
3 ホワイトカラー・エグゼンプションとは、事務職の労働時間の厳格な制限のことをいう。
4 ワーク・ライフ・バランスとは、定年退職後に安定的な生活を図ることをいう。
5 ワーキングプアとは、就労できないために貧困状態になることをいう。

選択肢1について

ILO(国際労働機関)は、雇用・労働分野における国際的な取組みを行う機関であるが、近年ではディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を目標に掲げ活動を行っている。

(社会福祉士養成講座編集委員会編『新・社会福祉士養成講座12 社会保障』、第4版、中央法規出版(2014)、p.6)

選択肢1は正しいです。

選択肢2について

学校教育にも、雇用にも、職業訓練にも参加していない若者(「ニート(NEET; Not in Education, Employment or Training)」と呼ばれている)
(同、p.270)

就労に向けて職業準備中の若年者はニートに含まれません。選択肢2は誤りです。

選択肢3について

ホワイトカラーエグゼンプション(またはホワイトカラーイグゼンプション、英: white collar exemption、ホワイトカラー労働時間規制適用免除制度)とは、いわゆるホワイトカラー労働者(主に事務に従事する人々を指す職種・労働層)に対する労働法上の規制を緩和・適用免除すること、またはその制度である。

(ホワイトカラーエグゼンプション、Wikipedia日本語版、https://ja.wikipedia.org/wiki/ホワイトカラーエグゼンプション

ホワイトカラーエグゼンプションは、選択肢3の言うような「厳格な制限」ではありません。むしろ逆で、規制緩和の方向です。

日本においては、労働時間によらない賃金体系として成果主義を導入しようという文脈で、経団連などが推進しています。一方、労働者側からは、残業代ゼロが合法になりかねないとして、反発があります。残業代がゼロのいわゆる「裁量労働制」の職種はすでにありますが(研究職、弁護士など)、一般の事務職まで裁量労働制が広がると、普通に働いても生活が維持できないような賃金になってしまうかもしれません。

選択肢4について

近年、「仕事と生活の調和」(ワーク・ライフ・バランス)の重要性が増している。そこで、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進等の企業の取組が推進されるとともに、育児・介護休業制度の周知・活用など、さまざまな仕事と家庭の両立支援策が講じられている。

(社会福祉士養成講座編集委員会編『新・社会福祉士養成講座12 社会保障』、第4版、中央法規出版(2014)、p.6)

ワーク・ライフ・バランスは、退職後の話ではないので、選択肢4は誤りです。

選択肢5について

ワーキングプア(英:working poor)とは、貧困線以下で労働する人々のこと。「働く貧困層」と解釈される。(中略)
日本では国民貧困線が公式設定されていないため、「正社員並み、あるいは正社員としてフルタイムで働いてもギリギリの生活さえ維持が困難、もしくは生活保護の水準にも満たない収入しか得られない就労者の社会層」と解釈される事が多い。

(ワーキングプア、Wikipedia日本語版、https://ja.wikipedia.org/wiki/ワーキングプア

ワーキングプアとは、workingの語のとおり、現在進行形で働いているにもかかわらず貧困状態にある人たちのことです。選択肢5は誤りです。

家賃や学費などが時代とともに上がっても最低賃金はなかなか上がらず、働いても生活が維持できないかギリギリの人は多くいます。

※参考
地域別最低賃金の全国一覧、厚生労働省ホームページ、http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/

第28回国家試験 問題143(就労支援サービス)
正答1
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