1 社会福祉法人は、その会計や財務諸表をインターネットや広報などにおいて公表する必要はない。
2 貸借対照表とは、事業の収支の状態や継続性をみるために、当該会計年度における支払資金の増加及び減少の状況を表示するものである。
3 資金収支計算書とは、資金の調達や資産への投入状況をみるために、当該会計年度末現在における資産、負債及び純資産の状態を表示するものである。
4 財務諸表では、「土地」のように価値が上下する資産については、毎期一定の方法により償却計算を行わなくてはならない。
5 社会福祉法人には、配当(利益処分)が認められておらず、「過去の利益の蓄積額」は、赤字経営をしない限り増加する特性がある。
選択肢1について
全国社会福祉協議会(全社協)がパンフレットを公開しています。
社会福祉法人の「経営情報」の公開が義務化されました
通知「「社会福祉法人の認可について」の一部改正について」
(中略)
通知のポイント
・経営情報(現況報告書等)の所轄庁への提出手続の取扱い
・経営情報のインターネットを活用した公表(義務化)
(中略)
法人は、現況報告書並びに添付書類である貸借対照表、収支計算書(資金収支計算書、事業活動計算書)をインターネットを活用して公表しなければならない。(社会福祉法人の「経営情報」の公開に関するパンフレット(2014年6月)、全国社会福祉協議会ホームページ、http://www.shakyo.or.jp/news/20141015_keiei.pdf)
選択肢1は誤りです。
選択肢2・3について
※関連記事
選択肢2・3は誤りです。資金収支計算書と貸借対照表の説明が逆になっています。
選択肢4について
長期間にわたって使用し、時間の経過とともに価値が下がる資産については減価償却の手続きを行います。ですが、土地については減価償却しません。
資産であっても減価償却しないものがある。減価償却しないものは非減価償却資産と呼ばれ、非減価償却資産は以下の様な時間によっても価値が減少するとは限らないものが該当する。
・乳牛の子牛など生育中の生き物で成熟前のもの(成牛となった後は減価償却対象となる)
・建設仮勘定(建物として引き渡された後は減価償却対象となる)
・絵画、骨董、書画、彫刻などの美術品や古文書など
・土地および土地の上に存する権利(借地権、地上権など)
・電話加入権
また、株式などの有価証券も、減価償却資産とされない。(減価償却、wikipedia日本語版、https://ja.wikipedia.org/wiki/減価償却)
選択肢4は誤りです。
減価償却について詳しくは第28回 問題123 選択肢3 の解説に書いています。
選択肢5について
特養の経営主体である社会福祉法人は、非営利法人であることから配当(利益処分)が認められておらず、「過去の利益の蓄積額」は赤字経営をしない限り増加する特性がある。
(特別養護老人ホームの内部留保について、第7回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会資料3、平成25年5月21日、http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000032jrz-att/2r98520000032k1y.pdf、6ページ)
選択肢5の文言と大部分が一致するので、この資料をもとに作問されたのではないかと思います。選択肢5は正しいです。
正答5