1 児童虐待を受けた児童については、住所地を管轄する市町村が通告を受理し、必要に応じ子どもの心理学的、社会学的、医学的判定を行う。
2 市町村は、乳児院、児童養護施設等入所型の児童福祉施設への措置を必要と認める場合には、その児童を児童相談所に送致する。
3 市町村長は、療育手帳についての申請を受け付け、児童相談所の判定結果をもとに療育手帳を交付する。
4 児童相談所長は、児童委員の職務について、市町村長に委任して必要な指示をすることができる。
5 児童相談所長は、児童福祉法第33条に基づく一時保護に関して、必要な場合、市町村長が一時保護するよう指示することができる。
選択肢1について
第六条 児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。
(児童虐待の防止等に関する法律)
通告を受理するのは市町村に限りません。また、「心理学的、社会学的、医学的判定を行う」のは市町村ではなくて児童相談所の業務です。
第十二条 都道府県は、児童相談所を設置しなければならない。
○2 児童相談所は、児童の福祉に関し、主として前条第一項第一号に掲げる業務(市町村職員の研修を除く。)及び同項第二号ロからホまでに掲げる業務並びに障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第二十二条第二項 及び第三項 並びに第二十六条第一項 に規定する業務を行うものとする。
(児童福祉法)
「前条(第十一条)第二号ハ」が「児童及びその家庭につき、必要な調査並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を行うこと。」です。
選択肢2について
第八条 市町村又は都道府県の設置する福祉事務所が第六条第一項の規定による通告を受けたときは、市町村又は福祉事務所の長は、必要に応じ近隣住民、学校の教職員、児童福祉施設の職員その他の者の協力を得つつ、当該児童との面会その他の当該児童の安全の確認を行うための措置を講ずるとともに、必要に応じ次に掲げる措置を採るものとする。
一 児童福祉法第二十五条の七第一項第一号 若しくは第二項第一号 又は第二十五条の八第一号 の規定により当該児童を児童相談所に送致すること。
(児童虐待の防止等に関する法律)
第二十五条の七 市町村(次項に規定する町村を除く。)は、要保護児童等に対する支援の実施状況を的確に把握するものとし、第二十五条の規定による通告を受けた児童及び相談に応じた児童又はその保護者(以下「通告児童等」という。)について、必要があると認めたときは、次の各号のいずれかの措置を採らなければならない。
一 第二十七条の措置を要すると認める者並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を要すると認める者は、これを児童相談所に送致すること。
(児童福祉法)
「第二十七条の措置」の中に、「児童を小規模住居型児童養育事業を行う者若しくは里親に委託し、又は乳児院、児童養護施設、障害児入所施設、情緒障害児短期治療施設若しくは児童自立支援施設に入所させること。 」が含まれています(第27条第1項第3号)。選択肢2は正しいです。
選択肢3について
療育手帳の交付申請は、本人または保護者が居住地を管轄する福祉事務所長(福祉事務所を設置していない町村にあっては町村長か管轄の福祉事務所長)を経由して都道府県知事(指定都市市長)に行う。都道府県知事(指定都市市長)は、児童相談所または知的障害者更生相談所における判定結果に基づき手帳の交付を決定し、経由してきた機関から申請者に交付する。
(社会福祉士養成講座編集委員会、『新・社会福祉士養成講座14 障害者に対する支援と障害者自立支援制度』、第4版、中央法規出版(2013)、p.49)
療育手帳を交付するのは市町村長ではなく、都道府県知事または政令指定都市の市長です。選択肢3は誤りです。
選択肢4について
第十八条 市町村長は、前条第一項又は第二項に規定する事項に関し、児童委員に必要な状況の通報及び資料の提供を求め、並びに必要な指示をすることができる。
○2 児童委員は、その担当区域内における児童又は妊産婦に関し、必要な事項につき、その担当区域を管轄する児童相談所長又は市町村長にその状況を通知し、併せて意見を述べなければならない。
○3 児童委員が、児童相談所長に前項の通知をするときは、緊急の必要があると認める場合を除き、市町村長を経由するものとする。
○4 児童相談所長は、その管轄区域内の児童委員に必要な調査を委嘱することができる。
(児童福祉法)
児童委員に指示ができるのは市町村長です。児童相談所長は、児童委員に調査を委嘱することはできます。選択肢4は誤りです。
選択肢5について
第三十三条 児童相談所長は、必要があると認めるときは、第二十六条第一項の措置をとるに至るまで、児童に一時保護を加え、又は適当な者に委託して、一時保護を加えさせることができる。
○2 都道府県知事は、必要があると認めるときは、第二十七条第一項又は第二項の措置をとるに至るまで、児童相談所長をして、児童に一時保護を加えさせ、又は適当な者に、一時保護を加えることを委託させることができる。
(同)
児童相談所長が市町村長に一時保護の指示ができるという規定はありません。選択肢5は誤りです。
正答2