第28回 問題118

第28回 問題118 事例を読んで、記録に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
[事例]
地域包括支援センターのC社会福祉士は、D民生委員から連絡を受けて、一人暮らしのEさん宅を訪れた。Eさんは、隣人がお金や大切なものを盗んでいってしまうので困ると訴えた。家の中は、片付けができておらず、食事も十分にできていない様子がうかがわれた。なお、D民生委員によると、Eさんは認知症と診断されており、以前は通所介護(デイサービス)を利用していたが、他の利用者との関係が悪く利用を中断した。1年前に妻を亡くしてからは、近隣とのトラブルが増し、周囲の人が困っているのだという。
1 Eさんの話の内容をクロージングシートに記入した。
2 一人暮らしなので、ジェノグラムにはEさんだけを書いた。
3 近隣住民との関係をエコマップに書いた。
4 Eさんの状態について、C社会福祉士の考えをプランニングシートに書いた。
5 Eさんの多面的なニーズを総合的に理解し、アセスメントシートに記入した。

適切なものを「2つ」選ぶ問題です。

選択肢1について
「クロージングシート」でインターネット検索すると、営業マン向けのセミナーがヒットして混乱しますが、落ち着いて直訳すると「終結用紙」つまり、ケースの終結段階で作成される記録のことです。事例では、まだ初回の訪問です。クロージングシートが出てくる選択肢1は適切ではありません。

選択肢2について
ジェノグラム(家族関係図)に書くのは、同居の親族だけとは限りません。1年前に亡くなったという妻、いるのであれば子ども、孫なども書きます。一人暮らしだからといって「Eさんだけを」書くと言う選択肢2は適切ではありません。

選択肢3について
エコマップには、D民生委員や隣人をはじめとした近隣住民を書くことが十分考えられます。Eさんの状況をよりよく把握したり、活用できる社会資源を検討するのにエコマップが役立つでしょう。選択肢3は適切です。

選択肢4について
客観的事実やクライエントの訴えと区別して、記録者の主観的な考えであることが明確にされていれば、C社会福祉士の主観的な考えを記録すること自体は問題ありません。ただ、プランニングシートは、具体的な支援を計画する段階で作成する記録です。プランニングシートが出てくる選択肢4は適切ではありません。この事例でいうと、C社会福祉士の考えを書くとしたらアセスメントシートだと思います。

選択肢5について
アセスメントシートは、アセスメント(事前評価)の段階で作成される記録です。クライエントとの面談等で得られた情報を整理し、ニーズを把握したり、支援目標につなげたりするための記録です。選択肢5は適切です。

第28回国家試験 問題118(相談援助の理論と方法)
正答3, 5
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