第28回 問題103

第28回 問題103 事例を読んで、この場面におけるJ社会福祉士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
[事例]
Kさん(85歳、男性)は、このところ物忘れが目立つ認知症の妻(82歳)を自宅で介護している。Kさんは当初、「自分ひとりで介護する」と言い、他県に住む一人息子に頼ることや、デイサービスなどを利用することを拒否していた。しかし、最近は疲れを感じるようになり、地域包括支援センターに相談に来た。J社会福祉士は、Kさんへの初回面接を行った。
1 Kさんに構造化面接を行い、虐待の有無を確認する。
2 Kさんの頑張りを労い、介護を継続するよう推奨する。
3 Kさんに適切な認知症ケアの方法についての知識を伝える。
4 Kさんに家族会に参加することを勧める。
5 Kさんの気持ちを受け止めながら話を聴き、総合的な状況把握を行う。

「最も」適切なものを1つ選ぶ問題です。「この場面における」対応として適切なものを選ぶので、どういう場面なのかに気をつけて事例文を読みましょう。

事例文中のポイントは、Kさんへの「初回」面接を行った、ということです。受験者向けにいろいろとKさんの情報が書いてありますが、J社会福祉士はKさんについて情報が全くない状態からのスタートです。

初回面接(インテーク面接、受理面接)で行われることといえば、ラポールの形成、情報収集・アセスメント、スクリーニング、あたりです。これに該当するのは選択肢5です。

選択肢2・3・4は、上記のこと(選択肢5)が済んで、Kさんのニーズが明らかになり具体的に支援に入ることが決まった場面であれば、適切ということもあるでしょう。ですが、Kさんが初めて相談に来た場面ではふさわしくありません。

選択肢1は、「構造化面接」というのもよくないですし、「虐待の有無を確認する」というのもおかしいです。構造化面接は、あらかじめ質問項目が決まっていて、個別ケースにそった柔軟な情報収集はできません。また、初めて相談に来た介護者(Kさん)に対していきなり虐待の有無の確認をしたら、ラポールの形成もできないでしょう。

第28回国家試験 問題103(相談援助の理論と方法)
正答5
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