1 平成25年度の児童虐待相談の対応件数は、約3万件である。
2 「相談種別」では、「性的虐待」が全体の3割を占めている。
3 「主な虐待者別」では、「実母」の方が「実父」よりも多い。
4 「相談の経路別」では、「虐待者本人」が全体の4割を占めている。
5 「被虐待者の年齢別」では、「中学生」と「高校生」を合わせたものが、全体の7割を占めている。
2013(平成25)年の児童相談所における虐待相談の対応件数については、内閣府の「子ども・若者白書(旧青少年白書)」をもとに記事を書いたことがあります。
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厚生労働省の「平成25年度福祉行政報告例」も、数字が同じなので「子ども・若者白書」と同じデータをもとに書かれていると思われます。
児童相談所における児童虐待相談の対応件数
平成25年度中に児童相談所が対応した養護相談のうち児童虐待相談の対応件数は73,802件で、前年度に比べ7,101件(10.6%)増加している。
被虐待者の年齢別にみると「小学生」が26,049件(構成割合35.3%)と最も多く、次いで「3歳~学齢前」が17,476件(同23.7%)、「0~3歳未満」が13,917件(同18.9%)となっている。(表12)
相談の種類別にみると、「心理的虐待」が28,348件と最も多く、次いで「身体的虐待」が24,245件となっている(図3)。
また、主な虐待者別に構成割合をみると「実母」が54.3%と最も多く、次いで「実父」31.9%となっている(図4)。(平成25年度 福祉行政報告例の概況(結果の概要)、厚生労働省ホームページ、http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/gyousei/13/dl/kekka_gaikyo.pdf、p.8)
選択肢1について
児童虐待相談の対応件数は、7万件を超えています。「約3万件」とする選択肢1は誤りです。
選択肢2について
引用元の図3をみると、性的虐待は1,582件で、全体の2%程度です。「3割」と言う選択肢2は誤りです。
選択肢3について
主な虐待者は実母が54.3%で最多、次いで実父が31.9%ということなので、選択肢3は正しいです。
選択肢4について
福祉行政報告例の結果の概要にも、子ども・若者白書にも、相談の経路についての記述がありません。統計表一覧から、「児童相談所における児童虐待相談の対応件数,児童虐待相談の相談種別×児童虐待相談の経路別」というデータを見てようやく正誤の判断ができます。このデータによると、虐待者本人である父親からの相談が315件、虐待者本人である母親からの相談が2,193件、虐待者本人であるその他家族からの相談が56件です。全体に占める割合は(315+2,193+56)/73,802=約3.5%です。「約4割」とする選択肢4は誤りです。
ちなみに、多いのは警察等21,223件(約28.8%)、近隣・知人13,866件(約18.8%)などです。
選択肢5について
引用元の表12を見ると、中学生が14.4%、高校生・その他が7.7%で、合わせて22.1%です。中学生と高校生を合わせて「7割」と言う選択肢5は誤りです。
正答3