第28回 問題127

第28回 問題127 次の記述のうち、老人福祉法において規定されたことのある制度や事業として、正しいものを1つ選びなさい。
1 市町村は、自らが行う介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施に関する計画を定める。
2 70歳以上の者で国民健康保険の被保険者又は被用者保険の被扶養者であるものに対して、その医療保険自己負担額を公費で支給する。
3 1961年(昭和36年)4月1日において、50歳を超える者等についてその者が70歳に達した時から、老齢福祉年金を支給する。
4 高齢者専用賃貸住宅を設置し、高齢者を入居させ、日常生活を営むために必要な福祉サービス等を提供する。
5 シルバー人材センター事業を実施し、高年齢退職者の希望に応じた就業で、臨時的かつ短期的なものや軽易な業務に係るものの機会を確保し、その就業を援助する。

選択肢1について

第百十七条  市町村は、基本指針に即して、三年を一期とする当該市町村が行う介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施に関する計画(以下「市町村介護保険事業計画」という。)を定めるものとする。
(介護保険法)

選択肢1の内容が規定されているのは介護保険法です。選択肢1は誤りです。

選択肢2について

国の施策として1972年に老人福祉法が改正され、1973(昭和48)年から老人医療費支給制度が実施されることとなった。この制度は、70歳以上(寝たきり等の場合は65歳以上)の高齢者に対して、医療保険の自己負担分を、国と地方公共団体の公費を財源として支給するものであった。

(平成19年版厚生労働白書 第1部/第1章/第2節/2、厚生労働省ホームページ、http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/07/dl/0101.pdf、p.16)

いわゆる「老人医療費無料化」です。選択肢2は正しいです。

ちなみに、老人医療費無料化が始まった1973年は「福祉元年」と呼ばれています。なお1983年に老人保健法が施行されて、高齢者も医療費の自己負担をするようになりました。

選択肢3について

老齢福祉年金(ろうれいふくしねんきん)とは、国民年金が発足した1961年(昭和36年)の当時に既に高齢等であったことを理由に国民年金を受け取ることができない人々を救済するために設けられた制度である。国民年金制度が発足すると同時に制度が設けられた。

(老齢福祉年金、Wikipedia日本語版、https://ja.wikipedia.org/wiki/老齢福祉年金

老齢福祉年金について規定していたのは旧国民年金法でした。選択肢3は誤りです。

選択肢4について

高齢者の持家率は高い水準にあるが、単身や高齢者のみ世帯の増加に対応して、高齢者が住みやすい民間賃貸住宅の確保も視野に入れた居住の安定策が求められ、2001(平成13)年に高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)が公布された。(中略)2005(平成17)年に、「高齢者円滑入居賃貸住宅」を拡充して、高齢者の単身・夫婦世帯にもっぱら賃貸する集合住宅として「高齢者専用賃貸住宅」が開始された。

(社会福祉士養成講座編集委員会編『新・社会福祉士養成講座13 高齢者に対する支援と介護保険制度』、第3版、中央法規出版(2013)、p.117)

高齢者専用賃貸住宅について規定していたのは高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)でした。選択肢4は誤りです。

ちなみに、高齢者住まい法は2011(平成23)年に改正されて、高齢者専用賃貸住宅等はサービス付き高齢者向け住宅に一本化されました。

選択肢5について
シルバー人材センターについて規定しているのは、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律です。選択肢5は誤りです。

第28回国家試験 問題127(高齢者支援と介護保険制度)
正答2
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