第28回 問題126

第28回 問題126 「平成27年版高齢社会白書」(内閣府)で紹介されている高齢者の生活や意識等に関する事項のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 アメリカ、ドイツ、スウェーデンと比較して、日本の高齢者が医療サービスを利用する頻度は高いとは言えない。
2 常時雇用する労働者が31人以上の、60歳定年企業における過去1年間の定年到達者のうち、継続雇用された人の割合は約5割となっている。
3 高齢者の若い世代との交流の機会への参加意向についてみると、約9割の高齢者が若い世代との交流に参加したいと考えている。
4 高齢者の約9割は、体が弱ったときには老人ホームへ入居したいと考えている。
5 高齢者の貯蓄の目的として最も多いものは、病気や介護への備えである。

「平成27年版高齢社会白書」は内閣府ホームページから閲覧できます。

高齢社会白書(内閣府ホームページ)
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html

選択肢1について
平成27年版高齢社会白書(全体版)から引用します。

60歳以上の医療サービスの利用状況について、韓国、アメリカ、ドイツ及びスウェーデンの4か国と比較すると、日本は「ほぼ毎日」から「月に1回くらい」までの割合の合計が61.6%で最も高くなっている(図1-2-3-8)。

(平成26年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況 第1章第2節3 高齢者の健康・福祉、平成27年版高齢社会白書(全体版)、内閣府ホームページ、http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2015/html/zenbun/s1_2_3.html

引用元のグラフを見るのがわかりやすいと思いますが、月1回以上の頻度で医療サービスを利用している高齢者が日本では6割を超えているのに対して、アメリカでは24.6%、ドイツでは32.9%、スウェーデンでは14.6%です。日本の高齢者のほうがアメリカ・ドイツ・スウェーデンの高齢者より医療サービス利用の「頻度が高い」が正確であって、「頻度は高いとは言えない」という選択肢1は適切ではありません。

選択肢2について
同じく平成27年版高齢社会白書から引用します。

60歳定年企業における定年到達者の状況をみると、平成26(2014)年6月1日時点において、過去1年間の定年到達者のうち、継続雇用された人の割合は81.4%となっている(図1-2-4-4)。

(平成26年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況 第1章第2節4 高齢者の就業、平成27年版高齢社会白書(全体版)、内閣府ホームページ、http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2015/html/zenbun/s1_2_4.html

引用元の図の中に「常時雇用する労働者が31人以上の60歳定年企業のうち、過去1年間(平成25年6月1日から平成26年5月31日)における定年到達者を集計」と注がついていますので、選択肢2の元になった部分でしょう。継続雇用された人の割合は「約8割」が正しく、「約5割」としている選択肢2は適切ではありません。

選択肢3について

高齢者の若い世代との交流の機会への参加意向についてみると、参加したいと考える人の割合(「積極的に参加したい」、「できるかぎり参加したい」と回答した人の合計)は平成25(2013)年で59.9%となっており、10年前(15(2003)年)に比べると7.2ポイント増加している(図1-2-5-6)。

(平成26年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況 第1章第2節5 高齢者の社会参加活動、平成27年版高齢社会白書(全体版)、内閣府ホームページ、http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2015/html/zenbun/s1_2_5.html

若い世代との交流の機会に参加したいと考える人の割合は「約6割」が正しく、「約9割」という選択肢3は適切ではありません。

余談ですが、20年前から10年前の10年間はあまり変化がなかったのに、10年前から最近までの10年間では7.2ポイント増加しているというのは興味深いですね。

選択肢4について

60歳以上の高齢者に身体が虚弱化したときに望む居住形態についてみてみると、「自宅に留まりたい」(「現在のまま、自宅に留まりたい」と「改築の上、自宅に留まりたい」の合計)とする人が日本では約3分の2となっている

(平成26年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況 第1章第2節6 高齢者の生活環境、平成27年版高齢社会白書(全体版)、内閣府ホームページ、http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2015/html/zenbun/s1_2_6.html

引用元のグラフを見ると、(平成22年の数字ですが)体が弱ったときには老人ホームへ入居したいと考えている高齢者は日本では13.9%です。「約9割」という選択肢4は適切ではありません。

選択肢5について

貯蓄の目的についてみると、「病気・介護の備え」が62.3%で最も多く、次いで「生活維持」が20.0%となっている(図1-2-2-7)。

(平成26年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況 第1章第2節2 高齢者の経済状況、平成27年版高齢社会白書(全体版)、内閣府ホームページ、http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2015/html/zenbun/s1_2_6.html

選択肢5は適切です。

第28回国家試験 問題126(高齢者支援と介護保険制度)
正答5
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