1 エスノメソドロジーの会話分析は、民族の文化を描きだす方法である。
2 グラウンデッド・セオリー・アプローチでは、分析を進めた結果としてこれ以上新しい概念やカテゴリーが出てこなくなった状態を、理論的飽和と呼ぶ。
3 非構造化面接とは、インタビューの質問項目をある程度計画しておき、話の流れに応じて柔軟に聞き取りをしていく方法である。
4 トライアンギュレーションとは、調査者と調査対象者が協力して行う調査方法である。
5 フォーカスグループインタビューとは、無作為に選ばれた調査対象者を集め、グループで聞き取りを行う方法である。
選択肢1について
エスノメソドロジーなんて言葉を初めて見ました。たぶんこの先の国家試験対策としてもあまり気にしなくていいと思います。エスノ(ethno-)が「人々の」という接頭辞、メソドロジー(methodology)が「方法論」ですから直訳すると「人々の方法論」だそうですがそれでは意味がわかりませんね。
こちら↓のエスノメソドロジー・会話分析研究会のホームページで「エスノメソドロジーとは」「会話分析とは」と説明されていますがとっても難解です。
http://emca.jp/isagoge/
とりあえず、選択肢1が言うような「民族の文化を描きだす」ものではないということだけはわかります。選択肢1は適切ではありません。エスノ(ethno-)というと「民族の」という意味もありますので(エスニック料理とか、エスノセントリズムとか)、それで引っかけようとしている選択肢のようです。
選択肢2について
適切です。社会福祉士として仕事をするうえで、グラウンデッド・セオリー・アプローチを実践する機会はあまりないと思うのですが、なぜか国家試験ではよく出題されます。直近では第26回問題90で、その前は第23回問題83選択肢4、第22回問題83という調子だったので、第30回で出るまではしばらく時間があきました。また2~3年後くらいに出るかもしれません。
※関連記事
グラウンデッド・セオリー・アプローチ
http://whitecatnote.seesaa.net/article/423204267.html
選択肢3について
質問項目があらかじめ決められているのが構造化面接、自由会話なのが非構造化面接で、その中間の、ある程度の質問項目と会話の流れで柔軟に聴き取りをするのが半構造化面接です。選択肢3は半構造化面接の説明であって、「非構造化面接」としている点が不適切です。
選択肢4について
トライアンギュレーションとは、直訳すれば三角測量のことですが、社会科学の文脈では、方法論や検証方法を複数化することで質的研究の妥当性を高める手法だそうです。選択肢4の説明は適切ではありません。
選択肢5について
※関連記事
フォーカスグループインタビューは、対象を絞る(フォーカス focus)グループインタビューなので、無作為に選ぶわけにはいきません。選択肢5は適切ではありません。
問題の解き方としては、選択肢1を読んだときは「見たことない言葉だな」と思いつついったん正誤判断を保留とし、選択肢2が明らかに適切だなと思いながら選択肢3~5が適切でないことを確認し、もう一度選択肢1と選択肢2を比べて2を選ぶ流れだと思います。
正答2