第30回 問題97 事例を読んで、母子生活支援施設の母子支援員(社会福祉士)の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
[事例]
Aさん(31歳、女性)とBちゃん(7歳、女児)は、市の福祉事務所を通じて、母子生活支援施設に入所している。Aさんは、夫の暴力に耐え切れず、仕事を辞め、Bちゃんを連れて逃げてきた。AさんとBちゃんの母子関係は良いが、Bちゃんには精神的に不安定な面がある。このため、Bちゃんは学校を休みがちである。Aさんは夫と離婚し、新たな仕事を見つけ、Bちゃんとの安定した生活を得たいという。
1 Bちゃんへの個別対応は、Bちゃんが通う学校の学級担任に一任する。
2 Bちゃんの治療のため、児童相談所に児童自立支援施設への入所を依頼する。
3 Aさんの就業に当たって、最寄りの母子家庭等就業・自立支援センターに関する情報を提供し、その利用の可能性についてAさんと検討する。
4 Aさんの退職の理由を詳細に聞くため、元の仕事先を訪問する。
5 夫が勤務する会社に連絡し、配偶者暴力の背景となる要因がないか確認する。
[事例]
Aさん(31歳、女性)とBちゃん(7歳、女児)は、市の福祉事務所を通じて、母子生活支援施設に入所している。Aさんは、夫の暴力に耐え切れず、仕事を辞め、Bちゃんを連れて逃げてきた。AさんとBちゃんの母子関係は良いが、Bちゃんには精神的に不安定な面がある。このため、Bちゃんは学校を休みがちである。Aさんは夫と離婚し、新たな仕事を見つけ、Bちゃんとの安定した生活を得たいという。
1 Bちゃんへの個別対応は、Bちゃんが通う学校の学級担任に一任する。
2 Bちゃんの治療のため、児童相談所に児童自立支援施設への入所を依頼する。
3 Aさんの就業に当たって、最寄りの母子家庭等就業・自立支援センターに関する情報を提供し、その利用の可能性についてAさんと検討する。
4 Aさんの退職の理由を詳細に聞くため、元の仕事先を訪問する。
5 夫が勤務する会社に連絡し、配偶者暴力の背景となる要因がないか確認する。
選択肢1について
支援をどこかに丸投げすることは不適切です。
選択肢2について
児童自立支援施設というのは、犯罪などの不良行為を行ったか、行うおそれがあるか、または家庭環境などから生活指導を必要とする児童を通所または入所させる施設です。Bちゃんは事例文で「精神的に不安定」とは書かれていますが、不良行為を行うおそれや、生活指導の必要性には言及されていませんので、Bちゃんを入所させるのは適切ではありません。
選択肢3について
適切です。
選択肢4について
事例文でAさんは「夫の暴力に耐え切れず、仕事を辞め、Bちゃんを連れて逃げてきた」とあります。逃げるためにやむを得ず退職したと思われ、それ以上に退職の理由を詳細に調べても今後の支援にはあまり役立ちません。
選択肢5について
Aさんは夫との離婚を望んでいるのであって、夫に暴力をやめてもらおうとしているのではありません。配偶者暴力の背景となる要因をさぐることよりも、他の対応に注力するべきです。
第30回国家試験 問題97(相談援助の基盤と専門職)
正答3
正答3