1 経験学習モデルは、能動的実験・具体的経験と内省的観察・抽象的概念化との間の循環を否定している。
2 暗黙知と形式知の、共同化、表出化、連結化、内面化からなる循環的な変換過程は、組織の知識を創発するのに有効である。
3 OJTでは、職員の職務遂行能力は対象外である。
4 OFF-JTは、作業遂行の過程で行う訓練方法のことである。
5 エルダー制度は、新入社員のセルフラーニングを通じた自己啓発の仕組みである。
選択肢1について
経験学習モデルとは
組織行動学者のデービッド・コルブが経験からの学びを体系化したものです。知識学習と違って、経験・体験から学習し成長するにはポイントがあるのです。
【経験学習モデル】
経験:具体的な経験をする
↓
省察:何が起こったかを多様な視点で振り返る
↓
概念化:他でも応用できるように概念化する
↓
試行:新しい場面で実際に試してみるこれをグルグル回していくことで、日常の経験・体験から学習できるというモデルです。
(廣瀬沙織、体験から学べていますか?学習モデルの4ステップ、2015年7月20日、http://goodbusiness.jp/learningmodel_step/)
経験学習モデルでは、選択肢1がいうように循環を否定しているのではなく、むしろ循環があると考えます。選択肢1は誤りです。
選択肢2について
今回調べて初めて知ったことですが、この選択肢はSECIモデルの説明で、正しいです。
SECIモデル(SECIプロセス)とは、一橋大学の野中郁次郎氏と竹内弘高氏らが提示した広義のナレッジ・マネジメントのコアとなるフレームワークです。のちに、野中氏は紺野登氏とさらにそのモデルを精緻化させています。
SECIモデルでは、知識変換モードを4つのフェーズに分けて考え、それらをぐるぐるとスパイラルさせて組織として戦略的に知識を創造し、マネジメントすることを目指します。
(Osamu Hasegawa、SECIモデル(ナレッジ・マネジメント)、http://www.osamuhasegawa.com/seci%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB/)
共同化(Socialization)、表出化(Externalization)、連結化(Combination)、内面化(Internalization)の頭文字をとったのがSECIです。
選択肢3について
OJTでは職員の職務遂行能力も対象になります。選択肢3は誤りです。
選択肢4について
OFF-JTは、作業遂行の場を離れて行う訓練で、いわゆる座学であることが多いです。作業遂行の過程で行う訓練はOJT(on the job training)です。選択肢4は誤りです。
選択肢5について
エルダーとは、先輩や年長者の意味である。一般的に企業内で「エルダー制度」という場合は、新入社員に対するOJT制度の呼称として用いられ、企業によってはOJTリーダー制度、ブラザー制度、シスター制度などと呼ぶ場合がある。また、近い制度として新入社員の精神的なサポートをするために専任者をもうけるメンター制度がある。
エルダー制度では、新入社員に対し所属長が直接指導するのではなく、数年年上の先輩社員が教育係(エルダー)となって新入社員と2人1組となり、実務指導だけではなく職場生活上の相談役も担うことが多い。(エルダー制度、用語集、リクルートマネジメントソリューションズホームページ、https://www.recruit-ms.co.jp/glossary/dtl/0000000088/)
自己啓発の仕組みではありません。選択肢5は誤りです。
正答2