家族とは何か、世帯とは何か、という理解を問う問題が、国家試験でときどき出ます。
家族というのは、すでにそこにあったものを、いろいろと分類したり名前をつけたりしている感じで、厳密に定義できるようなものではありません。
一方、世帯というのは、定義をして初めてそこに現れる単位です。もともと世帯というものがあったのではなく、法律や制度を作るときに単位が必要だったので生み出されたという感じです。一般的には、「住居と生計を同じくする人の集まり」とされています。血縁関係がなくても同一世帯ということはありえます。
家族と世帯について問われているというよりも、「家族と似ているようで別物の『世帯』のこと、ちゃんとわかってますか?」と言いたげな出題がされています。ソーシャルワーカーが社会資源としてつなぐ福祉制度は、世帯を単位に組み立てられていることが多いからだと思います。生活保護、国勢調査、投票所入場券の送付、国民健康保険料の徴収、などなど、いろいろなことが世帯単位でなされます。
(国家試験での出題)
27-018、25-018、23-018