平成25年「国民健康・栄養調査」の結果によると、日本人男性の15%強、女性の10%弱が糖尿病であると考えられます。
「糖尿病が強く疑われる者」の割合は、男性16.2%、女性9.2%であり、平成18年からみても男女ともに変化が見られなかった。
(厚生労働省、平成25年 国民健康・栄養調査結果の概要、p.17)
※「糖尿病が強く疑われる者」とは、ヘモグロビンA1c(NGSP)値が6.5%以上、または、「糖尿病治療の有無」に「有」と回答した者をいうそうです。つまり、すでに糖尿病の診断を受けている人か、診断は受けていないが数値からみて糖尿病の可能性が高い人です。
HbA1c(ヘモグロビン エイワンシー)は血中のブドウ糖(血糖)の指標で、糖尿病の診断に利用されます。NGSP値というのは国際標準値のことです(かつてはJDS値という値が使われていました)。
糖尿病には1型と2型があります。日本人では95%が2型と言われています。
2型の場合、インスリンは生成されますが量が不十分(インスリン分泌不全)、または十分に作用しない(インスリン抵抗性)という状態です。若年での発症もありますが、40歳以上に多いです。肥満と関係あると言われていますが、遺伝的な要因もあるようです。治療法としては、食事療法、運動療法、服薬・インスリン注射です。
1型の場合、自己免疫でβ細胞を破壊してしまい、インスリンが生成されないか、生成されてもごくわずかという状態です。小児~思春期に発症することが多く、肥満とは関係がありません。治療法としてはインスリン注射ですが、食事療法も併用するそうです。
さらっと「β細胞(べーたさいぼう)」と書きましたが、これは膵臓のランゲルハンス島というエリアにある細胞の種類の名前です。α細胞・β細胞・δ細胞・ε細胞・PP細胞と5種類あるそうですが、社会福祉士の国家試験勉強ではβ細胞だけ知っていればいいです。
血液中のブドウ糖(血糖)が通常より多くなる病気ですが、(特に2型の場合)すぐに倒れるような病気ではありません。ただ、治療をせず放置した場合に、合併症になることが問題視されています。糖尿病の三大合併症は
・網膜症
・腎症
・神経障害
です。
(国家試験での出題)
27-003、24-002(選択肢4)、23-006