児童福祉法は児童(18歳未満)一般について定めると同時に、障害児についても定めています。2012(平成24)年の児童福祉法改正で、障害児支援が強化されました。
2012(平成24)年改正のポイントのひとつに、「障害児施設・事業の一元化」というのがあります。「児童福祉法の一部改正の概要について」という厚生労働省の資料が見やすいです。スライド5枚目に図としてまとめてあります。従来の障害種別ごとに分かれた施設体系が、通所・入所という利用体系の別により一元化されました。
障害児通所支援は4種類あります。
障害児通所支援┬児童発達支援
├医療型児童発達支援
├放課後等デイサービス
└保育所等訪問支援
第六条の二の二 この法律で、障害児通所支援とは、児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス及び保育所等訪問支援をいい、障害児通所支援事業とは、障害児通所支援を行う事業をいう。
続く条文で、それぞれの障害児通所支援が定義されています。
児童発達支援
○2 この法律で、児童発達支援とは、障害児につき、児童発達支援センターその他の厚生労働省令で定める施設に通わせ、日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。
医療型児童発達支援
○3 この法律で、医療型児童発達支援とは、上肢、下肢又は体幹の機能の障害(以下「肢体不自由」という。)のある児童につき、医療型児童発達支援センター又は独立行政法人国立病院機構若しくは国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターの設置する医療機関であつて厚生労働大臣が指定するもの(以下「指定発達支援医療機関」という。)に通わせ、児童発達支援及び治療を行うことをいう。
放課後等デイサービス
○4 この法律で、放課後等デイサービスとは、学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)第一条 に規定する学校(幼稚園及び大学を除く。)に就学している障害児につき、授業の終了後又は休業日に児童発達支援センターその他の厚生労働省令で定める施設に通わせ、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進その他の便宜を供与することをいう。
保育所等訪問支援
○5 この法律で、保育所等訪問支援とは、保育所その他の児童が集団生活を営む施設として厚生労働省令で定めるものに通う障害児につき、当該施設を訪問し、当該施設における障害児以外の児童との集団生活への適応のための専門的な支援その他の便宜を供与することをいう。
「児童発達支援」の定義で「児童発達支援センター」が出てきています。児童発達支援センターも、児童福祉法で定義されています(第43条)。
第四十三条 児童発達支援センターは、次の各号に掲げる区分に応じ、障害児を日々保護者の下から通わせて、当該各号に定める支援を提供することを目的とする施設とする。
一 福祉型児童発達支援センター 日常生活における基本的動作の指導、独立自活に必要な知識技能の付与又は集団生活への適応のための訓練
二 医療型児童発達支援センター 日常生活における基本的動作の指導、独立自活に必要な知識技能の付与又は集団生活への適応のための訓練及び治療
一方、障害児入所支援は分かれておらずシンプルです。
第七条 ○2 この法律で、障害児入所支援とは、障害児入所施設に入所し、又は指定発達支援医療機関に入院する障害児に対して行われる保護、日常生活の指導及び知識技能の付与並びに障害児入所施設に入所し、又は指定発達支援医療機関に入院する障害児のうち知的障害のある児童、肢体不自由のある児童又は重度の知的障害及び重度の肢体不自由が重複している児童(以下「重症心身障害児」という。)に対し行われる治療をいう。
障害児入所施設は、2種類あります。
障害児入所施設┬福祉型障害児入所施設
└医療型障害児入所施設
第四十二条 障害児入所施設は、次の各号に掲げる区分に応じ、障害児を入所させて、当該各号に定める支援を行うことを目的とする施設とする。
一 福祉型障害児入所施設 保護、日常生活の指導及び独立自活に必要な知識技能の付与
二 医療型障害児入所施設 保護、日常生活の指導、独立自活に必要な知識技能の付与及び治療
「治療」をするかどうかが異なります。
(国家試験での出題)
27-061、27-138(選択肢4)、26-061(選択肢3)、26-139、25-061(選択肢2、選択肢3、選択肢4)、25-140(選択肢3)