1 児童の福祉を保障するための原理は、すべて児童に関する法令の施行にあたって、常に尊重されなければならない。
2 国は、児童を心身ともに健やかに育成することについて第一義的責任を負う。
3 児童が就学年齢に達した後に、その自立が図られることその他の福祉を保障される権利を得る。
4 児童憲章を児童の福祉を保障するための原理としている。
5 全て国民は、児童の保護者を支援しなければならないとしている。
「~に関する次の記述のうち、正しいものを~」という問題形式が多いですが、「次の記述のうち」で始まる珍しい問題文です。
選択肢3について
第一条 全て児童は、児童の権利に関する条約の精神にのつとり、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利を有する。
(児童福祉法第1条)
「全て児童は」その自立が図られることその他の福祉を保障される権利を有しています。就学年齢に達するまで権利がないということはありません。選択肢3は誤りです。
選択肢2について
第二条 全て国民は、児童が良好な環境において生まれ、かつ、社会のあらゆる分野において、児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない。
2 児童の保護者は、児童を心身ともに健やかに育成することについて第一義的責任を負う。
3 国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。(児童福祉法第2条)
児童を心身ともに健やかに育成することについて第一義的責任を負うのは、国ではなく、児童の保護者です。選択肢2は誤りです。
選択肢1、4について
第三条 前二条に規定するところは、児童の福祉を保障するための原理であり、この原理は、すべて児童に関する法令の施行にあたつて、常に尊重されなければならない。
(児童福祉法第3条)
児童福祉法の、児童の福祉を保障するための原理は第2条であって児童憲章ではありません。選択肢4は誤りです。選択肢1が正しいです。
選択肢5について
第三条の二 国及び地方公共団体は、児童が家庭において心身ともに健やかに養育されるよう、児童の保護者を支援しなければならない。ただし、児童及びその保護者の心身の状況、これらの者の置かれている環境その他の状況を勘案し、児童を家庭において養育することが困難であり又は適当でない場合にあつては児童が家庭における養育環境と同様の養育環境において継続的に養育されるよう、児童を家庭及び当該養育環境において養育することが適当でない場合にあつては児童ができる限り良好な家庭的環境において養育されるよう、必要な措置を講じなければならない。
(児童福祉法第3条の2)
児童の保護者を支援しなければならないのは、国及び地方公共団体です。選択肢5は誤りです。
正答1