相談援助のアセスメントツールのひとつ、PIE(Person-in-Environment)。直訳すると「環境の中の人」となりますが、ここは「PIE」という名前の分類基準、くらいに思えばいいです。
教科書の索引ではPIEは見つからず、インターネットで調べてみました。すると、開発者自身のホームページに行き着きました。
http://www.karinwandrei.com/ThePersoninEnvironmentPIESystem.en.html
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【2016年7月31日追記】
2015年11月の時点では上記URLでPIEについての説明が閲覧できたのですが、現時点ではhttp://www.karinwandrei.com/(ホーム)へジャンプするようになっておりPIEについての説明は閲覧できません。以下の内容は、2015年11月に筆者が閲覧したページに関する記述です。
【追記ここまで】
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【2017年2月5日追記】
現時点では、https://www.brightervision.com/blocked/(Brighter Vision社のブロック通知ページ)へジャンプするようになっておりPIEについての説明は閲覧できません。アメリカ・イギリス・オーストラリア・カナダ以外の国からアクセスすると拒否されるようです。以下の内容は、2015年11月に筆者が閲覧したページに関する記述です。
【追記ここまで】
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英語なので、ざっと訳してみますと、次のようなことが書いてあります。
・アメリカの精神保健ソーシャルワーク専門職(LCSW)であるウォンドレイ(K. Wandrei)と、ソーシャルワーク専門職(DSW)であるカールズ(J. Karls)の2名が1983年から共同で作った分類システム。
・クライエントの抱える問題を記述するための、ソーシャルワーク用の「言語」として(すでに精神保健分野で使われていたDSMとは別の)分類を作った。
・この分類システムでは、問題を見るときに、社会的役割や、環境的要因に着目する。クライエントがもつ問題解決のためのストレングスを測るという側面もある。
・開発者2名が共著で、PIEマニュアルという本を出版した。
・PIEはフランス語、スペイン語、ハンガリー語、日本語など多くの言語に翻訳されている。
※日本では相川書房からPIEマニュアル日本語版が出ています。
状態を記述、分析するための枠組みであることや、「共通言語」となることを意図して作られた点は、ICF(国際生活機能分類)と似ていると思います。
国家試験では新カリキュラムになってから3回、出題されています。ただ、PIEは3回とも本命ではなく、誤選択肢のひとつとして入れられていました。
アセスメントツールとしては、ジェノグラムとエコマップのほうがずっと重要度が高いので、そちらを重点的に見つつ、PIEも概要だけは知っておきましょう。
(国家試験での出題)
28-106(選択肢1)、27-103、24-094(選択肢4)