第27回 問題139

第27回 問題139 事例を読んで、児童相談所の児童福祉司が利用を勧める施設又は事業として、最も適切なものを1つ選びなさい。
[事例]
Hさん夫妻は、長年の希望であった里子を養育することになった。里子のJ男(4歳)は、Hさんの家に来てから、1か月ほどは言うことを聞く手のかからない子どもであったが、2か月を過ぎるころから夜ひとりで寝られなくなったり、夜尿も頻繁に起きるようになった。しかし、児童相談所からは、J男には、病気の診断や障害の判定はなされていないと言われた。児童相談所は自宅から1時間以上かかる遠いところにあるため、子どもを育てた経験のないHさんはとても心細く不安である。身近な地域で子育て情報や、話し相手、子育て仲間がほしいと思っている。
1 子育て短期支援事業
2 地域子育て支援拠点事業
3 児童発達支援センター
4 婦人相談所
5 配偶者暴力相談支援センター

事例文の最後、「Hさんはとても心細く不安である。身近な地域で子育て情報や、話し相手、子育て仲間がほしいと思っている。」という部分から、婦人相談所(選択肢4)・配偶者暴力相談支援センター(選択肢5)は除外できます。残る選択肢1・2・3の中から選びましょう。

選択肢1・2について

第六条の三  
○3  この法律で、子育て短期支援事業とは、保護者の疾病その他の理由により家庭において養育を受けることが一時的に困難となつた児童について、厚生労働省令で定めるところにより、児童養護施設その他の厚生労働省令で定める施設に入所させ、その者につき必要な保護を行う事業をいう。
(第4項・第5項 略)
○6  この法律で、地域子育て支援拠点事業とは、厚生労働省令で定めるところにより、乳児又は幼児及びその保護者が相互の交流を行う場所を開設し、子育てについての相談、情報の提供、助言その他の援助を行う事業をいう。
(第7項から第14条 略)
(児童福祉法)

子育て短期支援事業(選択肢1)は、施設入所が伴います。HさんはJ男を施設に入所させたいと思っているわけではないので、選択肢1は適切ではありません。一方、地域子育て支援拠点事業(選択肢2)は、まさにHさんの求めているものです。選択肢2が適切です。

選択肢3について
児童発達支援センターというのは

地域の障害のある児童を通所させて、日常生活における基本的動作の指導、自活に必要な知識や技能の付与または集団生活への適応のための訓練を行う施設です。
福祉サービスを行う「福祉型」と、福祉サービスに併せて治療を行う「医療型」があります。
(児童発達支援センター、WAM NET、http://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/jidou/handbook/service/c078-p02-02-Jidou-07.html

事例文中に「J男には、病気の診断や障害の判定はなされていない」という記述があるので、児童発達支援センターの利用を勧めるのは適切ではありません。

第27回国家試験 問題139(児童・家庭支援と児童・家庭福祉制度)
正答2
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