認定社会福祉士、認定上級社会福祉士という資格があります。国家資格ではなく、民間団体が独自の認定基準で認定している資格で、根拠法があるわけでもないので、国家試験の出題基準に含まれているか微妙だなと思いましたが第27回でちらっと出ました。続く第28回では1問(5選択肢)丸ごと認定制度の話でした。今後も出てくる可能性があります。
日本社会福祉士会のホームページによりますと、
認定社会福祉士制度とは
社会福祉士の資格は、国家試験に合格し、登録を行うことによって付与されます。しかし、資格の取得はあくまでも専門職で実践を行うための“スタートライン”であり、試験の合格が実践力を証明しているわけではありません。
そこで、高度な知識と卓越した技術を用いて、個別支援や他職種との連携、地域福祉の増進を行う能力を有する社会福祉士のキャリアアップを支援する仕組みとして、実践力を認定する「認定制度」を制定することになりました。
認定社会福祉士制度では、「認定社会福祉士」及び「認定上級社会福祉士」の2種類を位置づけました。
だそうです。
認定社会福祉士の資格取得要件も日本社会福祉士会のホームページにあります。ざっくりいうと次の通りです。
【認定社会福祉士】
- 社会福祉士で、
- ソーシャルワーカーの職能団体の正会員で、
- 実務経験5年以上、うち認定を受ける分野での経験2年以上
- 実務経験の中で別に示す「必要な経験」あり
- 所定の研修受講
【認定上級社会福祉士】
- 社会福祉士で、
- ソーシャルワーカーの職能団体の正会員で、
- 認定社会福祉士に認定されていて
- 認定社会福祉士を取得してから実務経験5年以上
- 実務経験の中で別に示す「必要な経験」あり
- 所定の研修受講
- 所定の実績あり
- 論文発表または学会発表をしている
- 試験に合格している
認定上級社会福祉士は、まず認定社会福祉士でないと取得できないなら、要件の1・2は不要なのでは…
要求される実務経験が認定社会福祉士までに5年、認定上級社会福祉士までにさらに5年ですから、最低でも10年の実務経験がないと認定上級社会福祉士にはなれない計算です。しかも「上級」は試験がありますので国家試験に合格して10年以上後にまた試験(;´Д`)長い道のりです。
世の中には、○○検定とか、○○コーディネーター、○○鑑定士、○○アナリスト、○○ソムリエなどなど資格があふれていて、それって認定している団体が受験料やテキスト販売や講座の受講料で儲けているだけでは?と思ってしまうときがあります。個人的には、認定社会福祉士も同じようなことになるんじゃないかという不安がぬぐえません。
そもそも社会福祉士という国家資格の知名度自体が低いので、福祉に関わっていない人たちに「私は認定社会福祉士です」と言っても「?」という反応になりそうです。国家資格の上に「認定」という民間資格の肩書が付いているんです~なんて説明しづらいですし、民間資格と言うと「お金を払って認定を付けてもらった」みたいに思われるのもなんだか微妙です。
(国家試験での出題)
28-095、27-091