国際生活機能分類(ICF)は、2001年にWHO総会で採択された比較的新しい分類方法です。
それまで使われていた国際障害分類(ICIDH)では、障害を「健常状態と比べてどれくらい困難な状態か」という視点で分類していたのに対し、ICFでは、障害・健常という分け方をせず、すべての人が分類の対象になりうるのが重要なポイントです。
また、ICIDHでは構成要素が一方向的な影響を与えていたのが、ICFでは双方向的に、相互に影響し合うという考え方になっています。
用語の定義を入れ替えて誤文とする出題があるので、キーワードだけでも覚えておきましょう。
心身機能:身体系の生理的【機能】(心理的【機能】を含む)
身体構造:身体の【解剖学的部分】
活動:個人による課題や行為の【遂行】
参加:生活・人生場面への【かかわり】
活動と参加の領域は単一のリストで示されています。
平成18(2006)年の資料でちょっと古いのですが、文部科学省のホームページ内にICFを説明しているページがありました。図も入っていてわかりやすいので、時間に余裕のある方はどうぞ。↓
ICFについて、中央教育審議会 初等中等教育分科会 特別支援教育専門部会(第5回)議事録・配布資料[資料2]、文部科学省、http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/032/siryo/06091306/002.htm
第28回の国家試験では、用語の抽象的な定義だけでなく、具体的な事例問題で、何が「参加制約」に該当するかを選ぶ問題がありました。選択式の試験ですが、単語を覚えるだけでなく、具体例をあげるとどんなものがあるかなど、知識を広げておく必要があります。
(国家試験での出題)
28-003、28-057、27-002、25-004、22-004