個別インタビュー(個別面接)とグループインタビュー(グループ面接、集団面接)との違いは、文字通り「個別」か「グループ」かの違いです。
これは面接を受ける調査対象者(インタビュイー)が1人か2人以上かということで、調査者(インタビュアー)が1人か2人以上かは関係ありません。
自記式・他記式でいうと、面接調査は個別・グループに関わらず他記式です(調査対象者に自ら何か記入してもらうわけではなくて、他人である調査者が話を聞いて記録するため)。
個別インタビューでは、調査対象者は他の調査対象者と接触しないので、思っていることを話しやすいというメリットがあります。「自分だけ違うことを言いづらい」同調圧力や、「他の調査対象者に知られたくない」恥ずかしさなどで、思ってもいないことを言ってしまう、ということが避けられます。
グループインタビューでは、調査対象者は同じグループの他の調査対象者の回答をきくことになるので、「そう言えば私もそう思っていた」「それに関しては私はこう思っている」というふうに、相互作用によって活発な意見が出やすいというメリットがあります。
どちらかの方法が絶対的に優れているということはないので、調査したい内容によって、合っている方法を選ぶ必要があります。例えば、地域での福祉ニーズの掘り起こしというのだったらグループインタビューでも個別インタビューでもよいですが、立ち入った個人的な事情をききたいような場合はグループインタビューには適しません。
グループインタビューの派生でフォーカス・グループ・インタビューという言葉があります。「フォーカス」はfocus 焦点で、関心・知識・経験などに焦点を当てて調査対象者を絞るものです。例えば、社会福祉士の国家試験対策の参考書を作ろうと思ったとして、どんな参考書がいいか?という意見をききたい場合に「社会福祉士の国家試験を受けたことがある人」を対象にしてグループインタビューをするような場合です。
調査では、いつもいつも日本全国の人を対象にしているわけではなく、むしろ調査対象をある程度絞るのが通常です。単にグループインタビューと呼ばれているものでも、調査対象者を見るとフォーカス・グループ・インタビューと言える場合もあると思います。
(国家試験での出題)
27-039(選択肢2、選択肢3、選択肢4)、27-089(選択肢5)、26-089(選択肢4)、25-087(選択肢2)、24-041(選択肢3)、24-081(選択肢2)