課題解決に取り組むには、指標が必要です。
まず、現状どうなっているか、何が課題であるかを把握するのに指標が役立ちます。特定の項目に関してだけ突出して指標の数値が高い・低いということがあれば、それが課題かもしれません。
また、目標設定にも指標が使われます。現状の指標を、どれくらい改善するか、計画を立てるときには数値目標が求められることが多いです。
課題解決に取り組んだ後、再度、指標を使って、どの程度改善したのかを確認することも必要です。取り組んだ後で、指標が改善していれば、取り組みには効果があったと考えられます。指標に変化がなければ、取り組みには効果がなかった、あるいは、課題はそこではなかったなどが考えられます。
指標はいろいろありますが、例えばドナベディアン(Donabedian, A.)はストラクチャー(構造)指標、プロセス(過程)指標、アウトカム(結果)指標という三つの視点を提唱しました。
これらの指標は、医療計画における指標として、厚生労働省の医政局長通知で挙げられています。
(参考)
ストラクチャー指標
:医療サービスを提供する物質資源、人的資源及び組織体制を測る指標
プロセス指標
:実際にサービスを提供する主体の活動や、他機関との連携体制を測る指標
アウトカム指標
:医療サービスの結果としての住民の健康状態を測る指標(平成24年3月30日厚生労働省医政局長通知、 医療計画について、http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_keikaku.pdf)
厚生労働省の別の資料では、プロセス指標とアウトカム指標の具体例が出ています。
医療の質を評価する手法として、医療の「構造」(ストラクチャー)、「過程」(プロセス)及び「結果」や「成果」(アウトカム)に着目したものが提唱されている 1。この後半二要素に関連する指標として、便宜的に以下のように各臨床指標等の分類が可能。
アウトカム指標:診療
後の患者の状態など「医療の結果・成果」を表す指標
(具体例):死亡率、回復率、再入院率、患者満足度 等
プロセス指標:実際に行われた診療の適切さなど「医療の過程」を表す指標
(具体例):早期リハビリテーション開始率、糖尿病患者での血糖コントロール 等1 Donabedian, A.,“Evaluating the Quality of Medical Care.” Milbank Memorial Fund Quarterly 44
(1966) :166-203(平成23年11月4日医療情報の提供のあり方等に関する検討会(第8回) 資料1、医療の成果に関する指標(アウトカム指標)及び過程に関する指標(プロセス指標)の取扱い、http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001u0or-att/2r9852000001u0tr.pdf)
さらっと脚注1に出典としてドナベディアンの論文が書いてあります。
(国家試験での出題)
27-047(選択肢3)、22-117(選択肢1)