第29回 問題79 次のうち、日常生活自立支援事業における日常的金銭管理の根拠を民法上の典型契約に求める場合、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 寄託契約
2 委任契約
3 請負契約
4 雇用契約
5 消費貸借契約
1 寄託契約
2 委任契約
3 請負契約
4 雇用契約
5 消費貸借契約
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民法で内容と名称が規定されている契約を「典型契約」または「有名契約」といい、13種類あります。
(1)贈与
(2)売買
(3)交換
...
選択肢1について
寄託とは、物を預かって保管する契約
(村千鶴子、誌上法学講座【消費生活相談に役立つ民法の基礎知識】第14回、ウェブ版「国民生活」2014年7月号、国民生活センター、http://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201407_15.pdf、p.40)
日常的金銭管理は、何かを保管することではないので、選択肢1は適切ではありません。
選択肢2について
委任・準委任は、プロに事務を委託して任せるもので、結果については確約できないものを指します。
(同)
選択肢2は適切です。
選択肢3について
請負は、仕事の完成に対して対価を支払う契約です。
(同)
日常金銭管理は、何かが完成することではないので、選択肢3は適切ではありません。
選択肢4について
雇用は、給料を支払って労働者を雇う契約です。雇用主が指揮命令する立場に立ちます。
(同)
日常金銭管理を利用するとき、利用者は社会福祉協議会の職員を雇っているわけではありません。選択肢4は適切ではありません。
選択肢5について
消費貸借とは、借りたものは消費してしまい、借りたものと同等のものを返還するものをいいます。
(同)
日常金銭管理では、物やお金の貸し借りは生じません。選択肢5は適切ではありません。
第29回国家試験 問題79(権利擁護と成年後見制度)
正答2
正答2