第29回 問題102 子ども家庭支援センターのK家庭支援専門相談員(社会福祉士)は、行動変容アプローチを応用したペアレント・トレーニング講座の講師として、観察した子どもの行動の表現方法について話した。講座終了後、参加していたLさん(35歳、女性)から相談に乗ってほしいと声をかけられた。別室で改めて話を聞くと、Lさんは5歳になる長男の行動で困っているという。講座での話を理解したつもりだが、子どもの行動を表現する適切な言い方を教えてほしいというものであった。そこで、K家庭支援専門相談員は、行動変容アプローチに基づく行動の表現を例として示した。
次の例示のうち、講座内容の趣旨に沿った表現として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 いつも落ち着きがありません。
2 ちゃんとできたことはありません。
3 何かにつけて口答えばかりです。
4 弟が持っているおもちゃを横取りします。
5 とにかくかんしゃく持ちなのです。
ペアレント・トレーニングというのは、発達障害、自閉症などの子どもへの関わり方を学ぶ、保護者向けのプログラムです。発達障害の特徴のひとつに、「言葉通りに受け取る」というのがありますので、コミュニケーションする上では抽象的・婉曲的な表現よりも具体的・直接的な表現をするとよいと言われています。
具体的な情報が伝わる選択肢は1つしかありません。最も適切なのは選択肢4です。
実は、この問題はペアレント・トレーニングや行動変容アプローチのことを何も知らなくても、選択肢5つのなかで異質なものを見つけるだけで解けてしまいます。
第29回国家試験 問題102(相談援助の理論と方法)
正答4
正答4