第29回 問題125

第29回 問題125 組織で働く者の労働意欲やキャリア形成に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 ハーズバーグ(Herzberg, F.)は、仕事に積極的な満足を与える要因として、監督技術、作業条件、給与などの衛生要因を重視した。
2 マズロー(Maslow, A.)は、自己実現の欲求が達成されれば、仕事のやる気は低下すると考えた。
3 コーチングとは、上司からの指示・命令により従業員の労働意欲を向上させる方法のことである。
4 キャリアアンカーとは、組織が個人にふさわしいキャリア展開を前もって計画することをいう。
5 メンタリングは、メンティー(メンタリングの受け手)のキャリア形成の促進を目的とする。

選択肢1について
ハーズバーグ(Herzberg, F.)の二要因理論では、満足を与える要因と不満足を生じる要因は別々に存在するとしています。満足を与える要因とは動機づけ要因(Motivators)で、仕事のやりがい、達成感、責任ある仕事を任されているという感覚などです。不満足を生じる要因とは衛生要因(Hygiene factors)で、職位、安定した職かどうか、給与、福利厚生などです。ハーズバーグは、仕事において満足を得るためには、衛生要因よりも動機づけ要因が重要であると提唱しました。選択肢1は誤りです。

選択肢2について
マズローの欲求五段階説は、欲求を5段階に分けて考え、人間は下位の欲求から順に満たしたいと思い、満たされるとより上位の欲求を満たしたいと思うようになる、という話です。満たされるとやる気をなくす、という話ではありません。選択肢2は誤りです。

選択肢3について

コーチング(coaching)とは、人材開発の技法の1つ。対話によって相手の自己実現や目標達成を図る技術であるとされる。相手の話をよく聴き(傾聴)、感じたことを伝えて承認し、質問することで、自発的な行動を促すとするコミュニケーション技法である。理論体系はないため、対話手法も含め、既存の心理学やカウンセリング等の理論・技法を借用して構成される。内容は事業者によって異なる。

(コーチング、Wikipedia日本語版、https://ja.wikipedia.org/wiki/コーチング

コーチングは、従業員の自発的な行動を促すもので、その手段として上司からの指示・命令を用いるとする選択肢3は誤りです。

選択肢4について

キャリア・アンカーとは、アメリカ合衆国の組織心理学者エドガー・シャインによって提唱された概念。

ある人物が自らのキャリアを選択する際に、最も大切な(どうしても犠牲にしたくない)価値観や欲求のこと、また、周囲が変化しても自己の内面で不動なもののことをいう。

(キャリア・アンカー、Wikipedia日本語版、https://ja.wikipedia.org/wiki/キャリア・アンカー

選択肢4は誤りです。

選択肢5について

メンタリング(Mentoring)とは、人の育成、指導方法の一つ。指示や命令によらず、メンター(Mentor)と呼ばれる指導者が、対話による気づきと助言による被育成者たるプロテジェ(protégé)ないしメンティー(Mentee)本人と、関係をむすび自発的・自律的な発達を促す方法である。

(メンタリング、Wikipedia日本語版、https://ja.wikipedia.org/wiki/メンタリング

メンタリングは、必ずしもキャリア形成の促進だけを目的とするわけではありませんが、この問題では他の選択肢が明らかに誤りなので、選択肢5を正答とするしかないと思います。

第29回国家試験 問題125(福祉サービスの組織と経営)
正答5
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