第29回 問題136

第29回 問題136 子ども・子育て支援法に規定されていることとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 子ども・子育て支援給付の総合的・計画的実施は都道府県の責務である。
2 一般事業主は一般事業主行動計画を策定しなければならない。
3 病児保育事業は地域型保育事業の一つである。
4 子ども・子育て会議は厚生労働省に置く。
5 子どものための教育・保育給付は小学校就学前子どもの保護者に対して行う。

選択肢1について

第三条  市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、この法律の実施に関し、次に掲げる責務を有する。
一  子どもの健やかな成長のために適切な環境が等しく確保されるよう、子ども及びその保護者に必要な子ども・子育て支援給付及び地域子ども・子育て支援事業を総合的かつ計画的に行うこと。

子ども・子育て支援法第3条第1項第1号)

子ども・子育て支援給付の総合的・計画的実施は市町村と特別区の責務です。選択肢1は誤りです。

選択肢2について

 一般事業主行動計画(以下「行動計画」)とは、次世代育成支援対策推進法(以下「次世代法」)に基づき、企業が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むに当たって、(1)計画期間、(2)目標、(3)目標達成のための対策及びその実施時期を定めるものです。
 従業員101人以上の企業には、行動計画の策定・届出、公表・周知が義務付けられています。

(一般事業主行動計画の策定・届出等について、厚生労働省ホームページ、http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/jisedai/

一般事業主行動計画は、次世代育成支援対策推進法で定められており、子ども・子育て支援法で定められているのではありません。

なお、子ども・子育て支援法で一般事業主に課されているのは、
・児童手当の支給に要する費用
・地域子ども・子育て支援事業に要する費用
・仕事・子育て両立支援事業に要する費用
に充てるために政府が徴収する拠出金の納付義務です。(子ども・子育て支援法第69条)

選択肢3について
内閣府による制度の概要説明(平成29年1月)によると、病児保育事業は地域子ども・子育て支援事業の一つです。

(内閣府子ども・子育て本部、子ども・子育て支援新制度について、平成29年1月、http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/outline/pdf/setsumei.pdf、p.6)

地域型保育事業の一つではありません。選択肢3は誤りです。

選択肢4について

第七十二条  内閣府に、子ども・子育て会議(以下この章において「会議」という。)を置く。

子ども・子育て支援法第72条)

選択肢4は誤りです。

選択肢5について

第十九条  子どものための教育・保育給付は、次に掲げる小学校就学前子どもの保護者に対し、その小学校就学前子どもの第二十七条第一項に規定する特定教育・保育、第二十八条第一項第二号に規定する特別利用保育、同項第三号に規定する特別利用教育、第二十九条第一項に規定する特定地域型保育又は第三十条第一項第四号に規定する特例保育の利用について行う。
一  満三歳以上の小学校就学前子ども(次号に掲げる小学校就学前子どもに該当するものを除く。)
二  満三歳以上の小学校就学前子どもであって、保護者の労働又は疾病その他の内閣府令で定める事由により家庭において必要な保育を受けることが困難であるもの
三  満三歳未満の小学校就学前子どもであって、前号の内閣府令で定める事由により家庭において必要な保育を受けることが困難であるもの

子ども・子育て支援法第19条第1項)

選択肢5は正しいです。

第29回国家試験 問題136(児童・家庭支援と児童・家庭福祉制度)
正答5
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