第29回 問題99

第29回 問題99 事例を読んで、H医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)による対応に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
[事例]
 病院に勤務するH医療ソーシャルワーカーは、入院患者のJさん(45歳、男性)から相談を受けた。Jさんは直腸がんの手術後、ストーマ造設手術を受けたばかりである。Jさんは、見舞いに来た職場の同僚から、上司がJさんの職場復帰は難しいと言っていると聞いた。そのため退職を考えているという。しかし話が進むと、本心は職場復帰して今の仕事を続けていきたいが、できるかどうか心配で仕方がないと語った。元々、今の上司とは折り合いが悪いとも話した。
1 今後のセルフケアと仕事の両立が難しいので、退職した方が良いと勧める。
2 職場復帰に関する上司の発言に非があると、直接上司に言う。
3 主治医同席で、職場の人事担当者と話合いの場を持つことを提案する。
4 今後の方向性を一緒に考えましょうと言う。
5 今までの上司との関係を振り返り、反省するように言う。

適切なものを「2つ」選ぶ問題です。

Jさん本人の気持ち(仕事を続けたいが、できるか心配)に寄り添う、選択肢3と4が適切です。特に選択肢3は、折り合いの悪い上司ではなく、職場の人事担当者との話合いにすることがポイントだと思います。

選択肢1(退職を勧める)は、Jさん本人の意向を無視しており適切ではありません。

選択肢2(上司の発言に非があると上司に言う)は、Jさんと上司の関係を悪くしてしまって、Jさんが職場復帰を目指すうえで支障が出るおそれがあります。そもそも、見舞いに来た同僚の発言として、Jさんから聞いたこと(=伝聞の伝聞)であり、事実かどうか確認できていません。選択肢2は適切ではありません。

選択肢5(Jさんに上司との関係を反省させる)は、Jさんを非難することになり、「非審判的態度の原則」に反します。適切ではありません。

第29回国家試験 問題99(相談援助の理論と方法)
正答3,4
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