1 執行猶予を受けた者は、更生緊急保護を受けることができない。
2 罰金刑の言渡しを受けた者は、更生緊急保護を受けることができない。
3 懲役・禁錮の刑につき執行猶予の言渡しを受けた者は、更生緊急保護を受けることができない。
4 懲役・禁錮の刑につき仮釈放中の者は、更生緊急保護を受けることができない。
5 懲役・禁錮の刑の執行を終わったものは、更生緊急保護を受けることができない。
更生緊急保護について、法務省のホームページに説明があります。
刑事上の手続等による身体の拘束を解かれた人で援助や保護が必要な場合には,下の図のような措置を受けることができます。
図:応急の救護等及び更生緊急保護(応急の救護等及び更生緊急保護、「更生保護」とは、法務省ホームページ、http://www.moj.go.jp/hogo1/soumu/hogo_hogo01.html#03)
この図(というか、表)によれば、更生緊急保護の対象は、次の①②③すべてにあてはまる人です。
①刑事上の手続又は保護処分による身体の拘束を解かれた人
②親族からの援助や、公共の衛生福祉に関する機関等の保護を受けられない、または、それらのみでは改善更生できないと認められた人
③更生緊急保護を受けたい旨を申し出た人
①の、刑事上の手続きによる身体の拘束(逮捕、勾留、矯正施設への収監)を解かれた人の中には、いわゆる「ムショ帰り」の人(矯正施設出所者)だけでなく、逮捕されたが釈放された、勾留されたが不起訴になった、起訴されたが無罪判決が出た、執行猶予付き判決が出た、罰金刑を受けたので矯正施設への収監はされなかった、という人も含まれます。「保護処分による身体の拘束」というのは、少年のケースです。
②は、他に援助や保護が受けられない、あるいは他の援助や保護では足りない、という意味です。保護観察に付された人は、それ自体が十分な保護と考えられますので、更生緊急保護の対象にはならないということに注意しましょう。
③刑事上の手続き又は保護処分による身体の拘束を解かれた人というのは、もう被疑者でも被告人でも、矯正施設の入所者でもありません。したがって、国の側で強制的に何かさせる、措置するということはありませんので、本人が望まなければ更生緊急保護はなされません。
以上のとおりですので、この問題では、選択肢4(仮釈放中の者)が更生緊急保護の対象になりません。仮釈放中の者には、保護観察がついているからです。
正答4