第29回 問題114

第29回 問題114 事例を読んで、ソーシャルサポートネットワークを活用したJ支援員(社会福祉士)の支援として、適切なものを2つ選びなさい。
[事例]
 R市の高齢福祉課はNPO法人に委託して、団地内で「コミュニティカフェ」を開始した。委託を受けたNPO法人に所属するJ支援員は、地域包括支援センターや社会福祉協議会の協力を得て、地域住民ボランティアと共に、月に2回、団地内の集会所において主に高齢者を対象としてカフェを開催している。しかし、団地内では一人暮らし高齢者が増えており、カフェに参加していない人も多い。

1 身体機能に不安を感じる参加者に、地域包括支援センターの利用を勧める。
2 カフェのプログラムは、専門職が行うものを優先する。
3 参加者の仲間関係によってグループ分けをする。
4 団地自治会に見守り活動を提案する。
5 カフェの運営会議では社会福祉協議会の要望を優先する。

適切なものを「2つ」選ぶ問題です。

ソーシャルサポートネットワークを活用した支援、と問題文にあるので、ソーシャルサポートネットワークについて確認しておきましょう。

ソーシャルサポート(social support)
教育、所得保障、医療ケアなど社会生活上のニーズを充たすフォーマル・インフォーマルな働きかけや、対人関係を意味する。勇気付けや共感を与え、社会生活のモデルを紹介するなど支援を行う個人やグループによるネットワークを意味する。特に、そのネットワークをソーシャルサポート・ネットワークという。

(社団法人日本社会福祉士養成校協会、わが国の社会福祉教育,特にソーシャルワークにおける基本用語の統一・普及に関する研究報告書、2005(平成17)年3月、http://jaswe.jp/researchpaper/h15_yougo_report.pdf、p.17)

ソーシャルサポートネットワークを活用して支援するということは、すなわち、自分ひとりで支援するのではなくて、支援を行う個人やグループによるネットワーク(つながり)を活用して支援するということです。

J支援員ひとりによるカフェの運営だけではなく、他の支援主体を巻き込み、カフェ以外の支援に取り組もうとしているのは、選択肢1(地域包括支援センターによる身体機能の不安へのサポート)と選択肢4(団地自治会による見守り活動)で、これらが適切です。

第29回国家試験 問題114(相談援助の理論と方法)
正答1,4
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