1 センサスとは、民間企業が消費者の動向を把握するために行う調査である。
2 研究者が個人で行うフィールドワークは、社会調査には含まれない。
3 新聞社が行う世論調査が、社会調査の最も古い起源である。
4 社会踏査とは、社会的な問題を解決するために行われる調査である。
5 統計的なデータとして結果をまとめられない調査は、社会調査とはいえない。
選択肢1について
「政治・行政上の目的をもった調査」を一般的にはセンサス(census)と呼び、その最も典型的なものとして国勢調査をあげることができる。センサスは、社会調査の歴史的系譜のなかでは最も古い歴史を有するものである。
(社会福祉士養成講座編集委員会編、『新・社会福祉士養成講座5 社会調査の基礎』、第3版、中央法規出版(2014)、p.2)
選択肢1は適切ではありません。
選択肢2について
研究者が個人で行うフィールドワークも、社会調査に含まれます。選択肢2は適切ではありません。
選択肢3について
例えば、小林(1981)2)は、社会調査の歴史を説明するにあたって紀元前3050年頃エジプトにおいて行われたピラミッド建設のための数量調査や紀元前2300年頃にはすでに行われていた中国の人口調査、紀元前1500年頃に行われたイスラエル人の人口調査等々の存在を指摘している。
2) 小林茂『社会調査論』文眞堂, 1981.
(同)
選択肢3は適切ではありません。
選択肢4について
「社会的な問題を解決する目的をもって行われるもの」である社会踏査(social survey)
(同、p.3)
選択肢4は適切です。
選択肢5について
社会調査は必ずしも統計調査に限られるものでなく、社会調査には、一定の地域社会や小集団、個人に対する参与観察、非参与観察、面接を用いた調査と、それらの記録とその分析という方法を用いて社会事象に関する認識を得るために行われるものまで含んでいるというのが一般的な理解である。
(同、p.6)
選択肢5は適切ではありません。
正答4