第29回 問題96

第29回 問題96 事例を読んで、Dスクールソーシャルワーカー(社会福祉士)による助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
[事例]
 小学校2年生のE君(7歳)は、授業中に教室内を歩き回ることが頻繁にある。担任がE君の離席を注意すると、E君はパニックを起こし、泣き叫びながら教室の外に飛び出してしまう。授業の進度も大幅に遅れていることから、複数の保護者から担任の交代を求めるクレームが校長に寄せられている。校長は、教育委員会にスクールソーシャルワーカーの派遣を要請し、助言を求めることとした。Dスクールソーシャルワーカーは学校を訪問し、授業観察を行った。
1 校長に対して、E君を転校させる必要性があると助言する。
2 校長に対して、保護者からのクレームは気にする必要がないと助言する。
3 校長に対して、個別的な対応をするため、特別支援教育支援員配置の必要性があると助言する。
4 E君の担任に対して、E君の指導を厳格にするよう助言する。
5 E君の保護者に対して、家庭でのしつけを徹底するように助言する。

Dスクールソーシャルワーカーが観察した内容が書かれていませんが、事例文の内容(E君の授業中の様子)が事実であることを確認した、と考えて解きます(そう解くしかないので)。

選択肢1について
授業に支障が出ているのは、E君の特性によるところが大きくて、担任のやり方がまずいとかクラス全体の雰囲気とか、E君の周囲の環境による影響は少ないと考えられます。したがって、選択肢1(E君を転校させる)を実行してE君の周囲の環境を変えても、根本的な解決になりません。転校先でまた同じことになると思われます。選択肢1は適切ではありません。

選択肢2について
授業に支障が出ているのは事実なので、「クレームは気にする必要がない」などと言うのは適切ではありません。問題として認識し、解決に向けて動く必要があります。

選択肢4、5について
担任に厳しく指導させる、保護者に徹底したしつけをさせる、ということですが、そんなことで解決するなら今ごろこんな問題にはなっていないでしょう。特に担任については、事例文の中で「担任がE君の離席を注意すると、E君はパニックを起こし、泣き叫びながら教室の外に飛び出してしまう」と書いてあります。選択肢4、5は適切ではありません。

選択肢3について
E君の保護者に対して何の接触もせずに校長へ助言しているのが気にかかりますが、他の選択肢が明らかに不適切なので、社会資源につなぐ、情報提供するという意味で、選択肢3が残ります。

第29回国家試験 問題96(相談援助の基盤と専門職)
正答3
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